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ソウルメイトは貧乏神  作者: ルケア


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冒険者の現実

OFUSE始めました。

https://ofuse.me/rukea


ついでにブログも始めました。好きなことをつらつらと書いていく予定。

https://rukeanote.hatenablog.com/


さらについでにTwitterも始めました。変なこともつぶやく可能性があります。関係ないことも沢山つぶやきます。

https://twitter.com/rukeanote

「うーん。数字は悪くないんだよな。輸出を絞ったって言うのに。何でこっちは黒字なんだ?」


「供給が少なくなったせいで、値段が上がっております。その分が黒字の要因ですね。商人はかなり儲けているらしいですよ? 良い事ではありませんか」


「需要と供給を考えれば当然の事かと。需要は減っていないのにも関わらず、供給が減ったのです。それは確実に値段に反映されます。前までよりも高く売れるのですから、商人は高く売るでしょう。それが当然であり、彼らの権利ですからな。儲けることが商人の仕事です。儲からないような仕事はそもそも仕事ではありませんので。それは奉仕と言うのです。だから、奉仕になるようなものは、税金を投じて仕事にしているのですから。利益ある所に商人あり。商売の鉄則ですぞ?」


「いや、うーん。言いたいことは解るんだけど、流石に高すぎじゃないか? それだけ食料が少ないって事なんだろうけど、そもそもここまで値段が上がったら、自分たちで作る様になるだろ? 何故作らない? 高い高いと言いながら、何故か買うんだよな。自分たちで作れば、これの半額で出来るってのに」


「そもそもですが、この領地程恵まれた土地は無いと思いますよ? 農村には豊穣を司る召喚獣が居り、それらを活用できるだけの人口が居て、どれだけ辺境の村でも豊穣の召喚獣が居る場所など、他にありませんので。普通は、召喚獣無しで農業を行っているのです。その効率は雲泥の差ですから。流石にこちらの領地との物価と同じと考えるのはいけません。こちらの食料品は少々安すぎます。供給が過多なのもありますが、そもそもアガレイト男爵家が農作物の物価を決めてしまっているのですから」


「召喚獣を使うというのは、それ程発達していないのが現状ですからな。使えばいいだろうと思いますが、そもそも塔から遠ければ、リスクを取って塔まで赴こうとも思いませんので。塔のあったところで生まれ育ったのであれば、召喚獣の恩恵を強く受けられたのでしょうが、その土地が特殊なのであり、普通は召喚獣を使わずに農業をしている場合が殆どです。なお、我が領内にもまだ0.1%程ですが、ソウルメイトを持たない住民が居る事が解りました。積極的にソウルメイトを獲得する様に働きかけている最中ですので。他の都市町村では、酷いことになっているでしょうな」


「まあ、安全に塔まで行くための足が無いからな。そのための馬車だし、そのための赤字路線なんだからある意味差が出て当然ではあるんだけど、流石にそこまでいかなくても、農業をしようと思わないのかね? 農地が余っている筈なんだがな。奴隷を使って農業をするだけで解決すると思うんだが……。人手は何も召喚獣やソウルメイトで埋める必要はないんだよな。奴隷でもある程度の役割はもてるはずなんだけど」


「ですから、そのための資金が無いのではないですか? この領地を基準としては駄目ですよ? 他の領地では、税金が重くのしかかっています。この地の前領主の事を思いだしてもらいたいですね。聞いた話ですが、農村はそもそもその日暮らしが出来るだけの食料以外を税金で取られてしまうのです。塔がある場所はある程度裕福に暮らせるのかもしれませんが、他の農村では食料が余るなんてことはありません。ですからそれを元にお金を入手することも出来ません。奴隷なんて以ての外です。そんなところに割く資金が無いのですよ」


「でしょうな。税を搾り取るだけ搾り取って、生かさず殺さずを徹底すれば、その様にもなります。だからこそ人口が増えないのですが。ある程度は余裕が無ければ、今やっている事業を拡大しようなんて思いもしないので。ですから、そもそもそういった発想が出ないように、半ば飼い殺しのような生活を強制しているのでしょう。流民として流れてくるのは、それに耐えられなかった人々なので」


 ああ、そこからなのか。そういえばそうだったな。この領地はまだ法衣貴族が腐ってなかっただけマシだったんだ。それでも生活は貧困層のど真ん中であり、塔があってもそこまで余裕がある訳でもないと。俺の生まれたモーデミル村は富と豊穣の塔があるだけ恵まれていたんだよな。だからある程度の事は知っているつもりでも、貧困層の暮らしってよく知らないんだよな。ブラック労働者時代でも、食事は出来る程度の給料はあった訳だし。まあ、食事以外が終わっていたとも言えなくもないんだけど。


 となると、隣の領地が発展するというのは絶望的だな。ミズレイア公爵派閥ならまだなんとかなる程度の話でしかないのかもしれない。他2つはちょっとばかり発展する未来が見えない。でも、ちょっと待てよ? それだと冒険者って選択肢も殆どないのと同じなんじゃないか?


「なあ、調べているかどうかは解らないが、隣の領地の冒険者事情ってどうなっているんだ? そもそもソウルメイトが居ないと冒険者なんてやってられないだろうし、塔まで行くにしてもどうやって行くんだ?」


「ああ、そこから知らなかったのですね。まず、冒険者になるには、リスクを承知で町まで徒歩で移動する事になります。この時死んでしまう可能性もありますが、外周部分に魔物は殆ど出てきませんので、7割の人が冒険者ギルドまで辿り着きます。そこから適当なパーティーにキャリーされて塔まで出向きます。そこでソウルメイトを得るのです。そんな状態ですから、そもそもダンジョンなんて危なくて入ることも出来ずに外で魔物退治に明け暮れることになります。そこで資金を貯めて、なんとか生活していくのが普通の冒険者です。この領地は、少しばかり変なのですよ?」


「3割は死ぬと思いましたかな? 実際は死亡者は7割に上ります。冒険者になったはいいが、食料が足りずに餓死する人々も大勢いるのです。そんな状態で魔物を討伐することなんて出来ませんからな。冒険者とは一握りの勝者たちの集まりになるのです。勝ち組に残れる方法は少ないですからな。冒険者としてパーティーに誘うのは優しさではありません。当たりのソウルメイトさえ仲間に出来れば、自分たちも勝ち組になれると思っているからなのですよ。大抵は確率の海に放り出され、何事も無く、平凡な召喚獣を得て終わりになります。それでも次こそはと思いながら、新人冒険者を勧誘し続けるのです。冒険者になるにはある程度のお金が必要になるのはご存じだとは思いますが、その借金を返すのが精一杯の冒険者も居るのですよ」


「夢も希望も無いんだが。それでも冒険者は生き残っているんだよな? 結構な数が居るように思っていたんだけど」


「それは当然でしょう。塔のある場所からはある程度の冒険者が生まれますので。それが各地に散らばって、なんとか数を維持しているのが冒険者というシステムです」


「実際に、ジーデンス子爵家からアガレイト男爵家になってから、冒険者の数は10倍に膨れ上がっておりますからな。今まで生き残れなかった人々も、生き残れるようになりました。ダンジョンの攻略法も出回りました。今までよりは冒険者が死ににくくなっているのは事実です。特にこの領地はおかしいくらいには冒険者を排出しておりますよ? そもそもジーデンス子爵家時代からも他の領地よりは冒険者の排出量が多かったと聞いておりますが」


 冒険者に人権は無いんだろうな。そうか。そんな事になっていたのか。色々と納得がいかない事もあるが、これが現実か。ちょっとどころではなく、辛いんじゃないのか?

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