ギルマスとの話が終わって
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冒険者組合の組合長との話は長くなったが、色々と話してしまったな。10年後くらいには制度が形になるのではないかなとは思う。10年は必要だろう。そのくらいは待たないといけない。1年ではどうにもならないはずだ。そこをどうにかしてしまったのであれば、大したものだとは思う。冒険者組合という組織を甘く見ていたと反省する部分だろう。勿論だけど、俺はそれに協力しない。自分たちで頑張ってくれ。情報を持っているのは俺だけでいいとは言わないが、俺だってある程度覚えるのに苦労はしたんだから、頑張って苦労をしてくれ。
「しかし、転生者だったとはなー。その可能性もあるかなー程度には思っていたのさ。流石に不自然だったからさー。でも、あそこまで知っている転生者もおかしいのさ。本当に転生者なのかさ?」
「転生者であっているぞ。今までの転生者がどんなことを知っていたのかは知らないけど、俺は俺で知っていることがあるって事なんだよ。転生者なんだからって表に出てくるとは限らないし、ガチ勢もどの方面かで変わってくるからな。生産系統の事はよく解ってないし、俺だって知らない事の100や200はあると思っているんだ。初めて聞くことだってあるだろうしな」
「そうかー? さっきの遺跡の話もそうさ。何処でそんな情報を仕入れたのさ? そんな事聞いたことも無いのさ」
「まあ、特定の召喚獣を使わないといけない系のイベントは不人気だったからなあ。特に遺跡を作るってなると、SPが200ってカンストしているウラノスを使わないといけないし、ウラノス自体がかなり出にくいからな。プロメテウスもSPが198とかいうぶっ壊れた数値をしているし、基本的にはエンドコンテンツ向けなんだよ。俺も遺跡は作ったことがあるけど、そこまで重要視はしてなかったな」
「……何処で作ったのさ? 今でもその遺跡はあるのさ?」
「……あ。どうなんだろう。見つかりにくい場所に作ったし、見つからないような設定にしたからなあ。どうかは解らない。あるのであれば、行ってみたいが、流石にまだまだ戦力が足りんよ。幸子だけでは厳しい。最低でもタンクとヒーラーは欲しい所だな。アタッカーも欲しいし、そうなるとSPが500程度は欲しくなってくる。今はレベル5だろ? SPが500になるのは、レベル100くらいは必要だし、そもそも距離が遠すぎる。移動手段に使える召喚獣も欲しい所だな。それさえ何とかなれば行ってみても良い気はする。そこには色々と貯め込んであるからな。……もしもあった場合は、だけど」
ゲームで作ったものがこっちの世界に反映されているのか。その辺は解らないからな。もしもあった場合は、色々と使い道が多そうな気がしないでもない。倉庫にしていたから、色んなものがそこに眠っているだろう。問題は今のままでは流石に攻略出来ないという事なんだけどな。ボスはギミックでどうにでもなるんだが、道中は流石にどうにもならない。ある程度のパーティーは必要になって来るな。そんなパーティーを揃えるのは何時になることやらだ。
……最悪は、貧乏神のごり押しでなんとかなるとはいえ、そうなると資金が持たない。軽く15桁の金は必要だろう。それを用意するのも大変だ。本当になんとかしないとな。ごり押しで行ける限界の所で挑戦するべきだろうか。移動手段を確保してから考えれば良い事、か。
「過去の自分との対決さー。面白そうじゃないさ。行くことは決定さ」
「あー。それなら早い所移動手段を手に入れないとな。流石に徒歩だと厳しい。最低でも空を飛べる移動手段が欲しいな」
「楽しみは取っておくさ。過去の自分に震えるがいいさ」
ゲーム時代の自分との戦いか。まあ、それも良いんじゃないだろうか。面白そうと言えばそうだからな。そこが攻略出来たのであれば、他の身内のダンジョンも見に行っても良いな。そっちにも何かしらの宝物が眠っているのかもしれない。誰も手を付けていないはずだからな。あんなところにあるなんて思わないだろうし。思っても、特定の召喚獣が必要になるんだから、普通は見つからないはずなんだよ。そういうギミックを組み込むようにしたのは俺たちなんだから。
「で? 今晩の飯は何さ?」
「さあ? とりあえずは飯屋に行ってから決める事だろ。資金は無いのと同じなんだから、贅沢はするんじゃないぞ? 基本的には先払いなんだから。それと、酒は無しな。どう見ても未成年だし」
「酒は必要ないさ。あんまり好きじゃないのさー。そもそも酔う事があまり好きではないさ」
「ん? 意外だな。飲む方かと思ってた。貧乏神だからどんどんと飲んで資金を減らしていくものだと思っていたんだけどな」
「意地汚いのも居るさ。でもあたしはそこまでではないさ。飲み気よりも食い気さね。そもそも食い気でさえも、そこまでは入らないのさ。今までも常識的な量しか食べてないのさ。非常識なのはあんただけで十分なのさ」
「貧乏神はお金を持った瞬間に化けると思っていたんだがな。ちょっと予想が違った」
「何さ? あたしに酔って欲しかったのさ?」
「酔ったらどうなるのかは興味があった。絡み酒なのか、泣き上戸なのか。ウザ絡みとかしてきそうじゃないか? イメージとしては」
「飲まないから心配はするなさ。資金はどうせ何もしなくても無くなるのさ」
「資金の心配はしてないからな。どうせ無いのと一緒だし。明日からも稼ぐんだから、大して変わらないとは思うけどな」
「……本当に明日も行くのさ? 1日ダンジョンに行ったら疲れないさ? 休みにしようさー」
「駄目。ダンジョンに行ったら、寧ろ英気が養われて回復するだろ? ダンジョンに潜りたいってずっと思う事になるだろ? そうじゃないか?」
「そんな訳があるかー! ダンジョンに行ったら疲れるのさ。休みたいのさ。宿屋でゆっくりとしたいのさ。そうならないのはおかしいさ」
そんな事はないだろう。ダンジョンに行けば、疲れなんて忘れてしまえるくらいには楽しいだろう? 明日の仕事の事を考えなくても良いって思えるだけでも英気が養われるってのになあ。この感覚は解って貰えないんだろうか。ダンジョンに行けば、体力が回復する。ダンジョンはヒールスポット的な何かなんだよ。ダンジョンに潜りたくなってきたな。最悪、泊りでも良いと思うんだよな。迷う事も新鮮だと思わないか? 無限にダンジョンに居たいと思うのは俺だけじゃないと思うんだよ。泣く泣く帰ってきているだけで、ダンジョンで泊まりたいって思っている奴らも居る筈だって。そうしたら、もの凄く稼げるようになるんだからな。やっぱり今からでもダンジョンに行くか?
「幸子、もう一度だけダンジョンにいかないか? なんか疲れが吹き飛ぶ気がしてくるだろ?」
「それは許さないさ。今からは食事に行くのさ。お腹がペコペコなのさ」
「ダンジョンに行ったら、お腹も満たされる。そうは思わないか?」
「思わないのさ。流石におかしいと思えなのさ。ダンジョンは宿屋や飯屋じゃないのさ」
そうか。残念だ。まあ、明日もダンジョンに行くことになるんだけどな。3連勤までは許されている。じゃあ、3連勤で30周は出来るだろう? そのくらいの早さで周回してやんよ。沢山ダンジョンを攻略すれば、沢山の召喚獣を呼べる。そうなったらどんどんと召喚獣を強化していく事になる。それでいいんだよ。それがこの世界の力だ。力は持っていた方が良い。どんどんと強くなった方が良い。遺跡の攻略はする気はないけどな。あれは趣味の範疇だと思うし、攻略しても旨味が無いからなあ。




