輝く星座の空の下
修学旅行の最後の夜
最後の自由時間を使って
君を近くの砂浜に誘った
不自然にならないように
友達も一緒に
これがみんなで出掛ける最後の旅行
多分これからはそれぞれの時間に追われて
ゆっくり話す時間も無いから
だけど砂浜に着いたところで
何から話せばいいのか分からなくて
なんとなく隣に座って
君と一緒に空を見上げた
夏の夜空に輝く星は
都会の黒い空とは違って
一面光で埋めつくすほど
夜空に広がりを見せていた
同じ夜空を見上げているけど
見ている星は同じだろうか
進む道は違うけれど
たどり着く先は同じだろうか
ふと空を見上げる君を見て
「綺麗だね」
と言ってみた
君は空を見上げたまま
「そうだね」
と、小さく呟く
寝転びながら空を見上げて
「好きなんだ…」
と、呟いてみる
それが今の精一杯で
「うん」
と返した君の言葉に
それ以上の返事は出来ずに
ほんの少し触れた指先の熱は
砂浜の中に流れ落ちるようで
ただ時間だけがゆっくりと
止まることなく流れていった
「欲と抑」から続く
「もう少し あと少し」シリーズ4作品目になります。
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