第七回 光の春
相変わらずの不定期ぶりで申し訳ありません。更新のたびに、お手に取ってくださっている皆様、ありがとうございます。
さて、早いもので二月も中旬を迎え、冬の終わりが近づいておりますね。
寒さに弱い私にとっては嬉しいことですが、花粉症を患っているので、そういう意味ではジレンマを感じる日々です。(苦笑)
――――――――――
さて、第七回はそんな春の予感を感じさせる言葉をご紹介します。
皆様、春は三つの段階を踏んでやってくる、というお話はご存じでしょうか?
あまり耳馴染みがないかもしれませんが、まずは「光の春」がやってきて、それから「音の春」、そして「気温の春」と続きます。
その中でも、最初に春がやってきた! と感じられるのが「光」なんだそうです。
……と、まるで、私が知っていたかのように書いておりますが……先日、テレビで気象予報士さんがそうおっしゃられていたのを聞いて、面白い! と思い、そのまま使っています。(笑)
ちなみに、この「光の春」という言葉を色々と調べると、もとはロシアの言葉なんだとか。
日本では、気象予報士の倉嶋厚さんという方が発行された「お天気歳時記」という本でこの言葉が登場しています。
なんだか、意味が分かるようで、分からないような、綺麗なニュアンスの言葉ですね。
色々と調べた結果、いくつか説があるようです。
例えば、ロシアのような高緯度の地域では、日脚の伸び(日の出から日没までの時間)が早く感じられるため、少しずつ日が長くなっていくのを感じて、春の訪れを感じる、という意味で「光の春」という言葉が慣例的に使われているという説。
それから、やはり、ロシアの方の小説で「光の春」(もしくは「春の光」)というタイトルのついた本があるそうなのですが、そこから来ているという説。
第二次世界大戦のころに出版され、戦争がテーマとなっているようです。
そういった暗い時代、閉ざされた時期を「冬」と呼び、それでも希望を捨てずに前を向いていこう、という様子を「春」や「光」に例えているのでは、という感じなのかもしれません。
綺麗なだけでなく、言葉をたどっていったときに、色々な歴史、文化が垣間見えるようで大変面白いです。
実際に、二月にもなると「今日はなんだか日差しが強いな」なんて感じる日もあったりしませんか?
動物や植物も春にかけて、こうした日差しをうまく使って、生活を営んでいるようですので、「光の春」を感じる瞬間は、意外とたくさん身の回りにもあふれているのかもしれません。
この後に訪れるのは、雪解けの「音」を感じる、「音の春」。そして、気温がようやく落ち着いて、本格的な春となっていきますが。
まずは、冬の隙間に時折訪れる柔らかな陽気、温かな「光」をたくさん感じて、一足早い春を皆様感じてみてください!
ちなみに、春の日差しにもたっぷりと紫外線が含まれます。日焼けは夏だけ、と侮るなかれ。
「光の春」を感じたら、(もちろん、一年中するのが一番ですが!)日焼け対策をお忘れなく!
おあとがよろしいようで……?
それでは、また次回。