第六回 宴もたけなわ
第五回から二か月近くが経過し、本当に申し訳ありません……。
もはや、不定期更新というのもおこがましいくらいで、それでもこうして、ブックマークを外さずにお待ちくださっている皆様には感謝申し上げます。
新年を迎え、ずいぶんと立ってしまいましたが、今年も一年、何卒宜しくお願い致します。
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さて、再びコロナの影響で緊急事態宣言が発令された今、第六回は、もっとも縁遠い言葉の一つ「宴もたけなわ」について少し。
昨年から、宴会や飲み会というのはずいぶんと減ったのでは、と思うのですが、皆様はいかがでしょうか?
アルハラ、という言葉が当たり前になり、飲みにケーションは古い、という言葉も出てきまして、会社の飲み会自体、そもそもあまり参加されない方も多くなってきたように感じますが……そういう方にとってはラッキーな一年。
そして、宴会とか意外と好きだったんだよなー、という方にとっては残念な一年だったのでは、と思っております。
(いかがでしょう?)
会社の先輩と、先日そんな話をしておりまして、
「そういえば、宴もたけなわって、なんだろうね?」
という話になりました。
「そもそも、たけなわって何でしょうね?」
「たけなわって、漢字でかくとどうなるんだっけ? 宴会の宴だっけ?」
「いや、それは宴もたけなわの、宴の方じゃないですか」
オチもなく、誰も答えにたどり着けず。
意味は分かるぞ、という方も多いかと思いますが、もちろん、「宴もたけなわですが」といえば、「宴会も盛り上がっているところですが」みたいな意味です。
意味に関しては、先輩と合わせて全員正解。
でも、肝心の「たけなわ」の意味は分からず。
そんなわけで、宴会が現実にできないのならばせめて、文字でくらい、とこうして筆をとった次第です。(こうして書くと、なんてバカバカしいのだろう、と自分でもびっくりしますね。苦笑)
宴もたけなわ、に使われる「たけなわ」は、漢字で書くと、なんと!
「酣」
なのだそうです!(こんな漢字見たことない……)
お酒に甘い、と書いて「たけなわ」ですが、こちらはまさに文字の通り。
お酒をつくる際に、お米やらお芋やら麦やら……なんでも発酵をさせる工程があります。この時に、これらがだんだんと甘くなっていく。その甘さがピークとなり、飲み頃となっていることを、表す言葉なのだそう。
その様子を「宴もたけなわ」と称して、宴会が盛り上がっているころ、にかけ合わせているようです。
宴会ではお酒をたしなまれる方も大勢いらっしゃいますから、そういう意味ではなんとなく、二重に意味がかかっているみたいで面白いですね。
ちなみに、あまり漢字で「宴も酣」と書くことはないそうで、漢字を見たことがないのも当たり前なよう。
ですが、知っていると、今後、コロナが収束し、宴会で締めを任されても、少し面白い小話として使えるのかもしれない、と思ったりするのでした。
さて、そんなわけで、このエッセイも「たけなわ」ですが(これについては少し苦しいですかね?)、この辺りでお開きとさせていただきます。
おあとがよろしいようで……?
それでは、また次回。