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異世界に転移したっぽいけど眼鏡が壊れたのでよく分からないです  作者: どすこい乙女
第2章 仲間の父親が魔王っぽいけど眼鏡が壊れてるのでよく分からないです
8/11

07


ぼんやりとだが、人型に変身した魔物は男であることがわかった。紅い、燃えるような髪。彼が右手で魔物たちを制すると、魔物たちは威嚇をやめた。魔物たちの中でも高い身分なのだろうか。


「......たしかに、その翼は魔族の中でも魔王様の一族しか持たぬ王の証」


彼はクリスティーネに詰め寄ると、まじまじとその翼を見つめ、1つ息を吐いた。


「......たしかに、その翼は魔族の中でも魔王様の一族しか持たぬ王の証。貴様が魔王様の娘がどうかはまだ分からんが、血縁であることは認めよう」


「じゃあ......!」


「かといって、人間を迂闊に魔王様にお会いさせるわけにはいかん!貴様、母は人間だな?俺は純血以外の魔物は認めぬのだ。疾くと去ね。さもなくば、その喉首食いちぎってやる!」


そう言いすてると、彼はまた魔物の姿へと戻った。鋭い牙が光を反射してキラリと光る。


交渉決裂だ。踵を返して逃げ出そうと、俺はクリスティーネの手首を掴み走り出そうとする。けれど、彼女はその場から動こうとはしなかった。


「クリスティーネ!?なにやってるんだ、早く!食い殺されたいのか!?」


そう叫んでもクリスティーネは動かない。目を凝らし、何かを探すようにして空を見上げている。


ふと、大きな影が俺たち二人を覆ったのが分かった。ただでさえ暗い森がさらに暗さを増し、足元が見えづらい。


いったいなんだと空を見上げると、その大きな影の正体が目に飛び込んできた。


それは、大きな鳥だった。——鳥、だよな?遠すぎて姿形がほんとうにぼんやりとしか見えない。目を凝らしてみても、翼っぽいのがあることしか分からなかった。


ただでさえ大きいその影はどんどん大きくなっていく。


近づいてくる。


そう理解したのとその影が地面に降り立ったのは、ほぼ同時だった。


「っ、ごほ......っ」


土煙が辺りを覆う。


その向こう、ゆらりと揺れる影があった。大きい鳥の影であったそれはゆっくりと小さくなってゆき、やがて人の形をとる。


風にたなびく黄金色の髪は後ろで1つに結ばれており、光を弾いてきらきらと輝いている。


「リアーナ様...!」


誰かが、その名を呼んだ。


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