日本に帰れそうだ
結局、河口にでるまで三日かった。仰向けで流されていたので、常に上空を監視している状態。
腹の上にカブトムシの盾を乗せて擬態する。そうすると、鳥は近寄って来ない。オレは水面のゴミなんだよ。
暇なので、自分が何を出来るか試してみた。
まず腕、
人間の腕とカマキリ腕は、人間手、ヒレ付き吸盤手、カマキリ手の組み合わせが出来る。
背中、
人間背、カマキリ羽根、ヤモリ赤黒毒皮膚
組み合わせが出来るかわからない。
四本手足、六本手足、
腕と足の間に中足を出すことが出来る。
吸盤はないが、物を持ったり、安定した直立が出来る。もちろん、中足は隠すことが出来る。
目、
性能が違うようだ。水中用、空中用、人間用。
音、匂いの感覚もいくつかの性能が有るようだ。
尻尾、
有り無し切り替え出来る。
わかったのはココまで。
さらに暇なので、カバンの中をゴソゴソ。補修用に蜘蛛の糸があった。結構な長さがあり、何か作れそうだ。長距離移動用に大作の着手をした。
武器、防具作りもした。ミミズクのクチバシは毒を塗って兜にした。顎紐は蜘蛛の糸。
毒鞭も作ってみたが、接近戦はやりたくない。遠距離攻撃出来る武器が必要、腹を守る服も欲しい。色々、欲しいものが出てきた。
海にも出てからの事も考える。毒が効かない可能性もある。イカやタコにはたぶんオレ毒と蜂毒は効かない。
速効性の神経毒が欲しい。猛毒で速効性の有るものが欲しい。
そうこうしていると、三日か経ち、水流が緩くなってきた。塩分を含んだ水に変わった。
「やはり海だ」
日本に帰れる希望が出てきた。