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半分魔物と呼ばれて  作者: 伝説の男前
7/12

明日の道を求めて

「あっ」


急に水中に引き込まれた。と言うか、何かの口の中だ。いずれにしろ水の中だ。

ふと腕をみると、カマキリの鎌が小さくなってきている。腕から鱗が現れた。いや、全身に鱗が現れてきた。

丸飲みされたので、そのまま、胃袋まで到着した。その頃には手の鎌は消えていて、吸盤付きの5本指がでてきた。呼吸はまったく苦しくない。

やっと冷静になれた。

トカゲ?ヤモリ?尻尾はオオサンショウウオの様だ。

赤と黒の迷彩模様の背中、ヤモリの手、オオサンショウウオの尻尾、六本あった手足が四本ある。


まずは脱出だ。消化液が大量にでる前に脱出方法を考える。毒ナイフはネズミに刺さって置き去りだ。吸盤を鎌に変え、何度も壁を切りつける。何度も、何度も、汗だくになりながらも切りつける。壁は表面にうっすら傷がつく程度。


急に胃袋に大量の水が入ってきたと思うと、オレの身体もろとも、一気に口から吐き出された。


「うわー」


...


「でられた。あーーー」


デカイ魚が寄ってくる。どうやらこいつの腹に中に居たようだ。と、思う間もなく、また食われた。

オレの身体が奴の舌にぶつかった。良い感じのクッションだ。すると、また口から吐き出した。


物凄い水流の中で「こいつはオレの身体を嫌っているのかも」と考えた。

そして、それは確信に変わった。奴はオレを襲うことはなかった。それだけではなく、他にも巨大魚がウヨウヨいたが、ダレも襲ってこない。

どうやって、オレの身体の色を嫌っているのかも。そして、オレの身体からは毒性分泌物が出ていて、口から吐き出されたのだと結論付けた。


やっと、しばしの平穏だ来たのであった。

この後の方策を考える。とりあえず、ココは安全だ。

ココが川なら河口へ向けて、楽して移動が出来る。道に迷わず確実に海岸には行ける。まずは海岸に行くことにする。


武器は俺のだけ、耐毒性の敵がいたら、ひと溜まりもない。武器か。陸に上がり、毒ナイフを取り戻してみるか。


水面に上がり、土手を見る。まだ、ネズミが大量にいる。


「さて、どうするか」


ヤモリ身体のままカマキリの鎌が出ないか念じていると吸盤の上から巨大な鎌が出てきた。長めの爪だ。


「よし。これなら行ける。実験だ」


鎌に身体の毒をつける。水面下からゆっくりとネズミに近づく。

今だ。

ネズミの鼻を切りつけ、即行で水の中に逃げた。

ふたたび、水面から顔を出す。

一時間位でそのネズミは死んだ。その死骸を食ったネズミは今にも死にそうになっている。

恐るべし、オレの毒。


ネズミがいた辺りが静かになったので、陸に上がった。武器になりそうな物はネズミからは取れなかった。鎌で腹を裂いて食えそうなものをカバンにしまう。きっと、栄養満点。


しばらく散策すると、目に毒ナイフを刺したネズミが死んでいた。すぐ近くにミミズクが死んでいた。こいつが空からの攻撃か。


ミミズクからつかえそうな部位を剥ぎ取る。


もうすぐ、朝だ。明日の事を計画するために水底に戻った。

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