絶体絶命
ショウジ達から離れて、明るくなるまで飛んだ。ずっと草原だった。途中休憩を挟んで食事をした。
明るいうちは、草に擬態した。草に捕まってフルーツを食ったり、草を食ったらやっぱり草の味だ。油虫みたいのがいて、カマで簡単に捕まえる事ができる。食ってみた。
ビミョー
まあ食える。油たっぷり、栄養満点。
焼くとクッキーに味だ。
時たま、上空に鳥がいる。飛行速度が全然違う。飛んだらひとたまりもない。
寝てしまった。身体は快調。そろそろ移動の時間だ。上空はトンビはいないがコオモリが出て来ている。
もう良いかな。行ってみよう。そうして上空に舞い上がった。数百メートル移動。またジャンプ飛行。後ろに殺気。
コオモリだ。真っ直ぐ飛べない哺乳類だ。必死に真っ直ぐ飛ぶ。時たま、自分で高度に変化をつけるので、空中では捕まらない。だが、着地したらヤバイ。油虫を食べたお陰でスタミナが増えてる。しかし、段々高度が下がってくる。
ヤバイ
ああーー、着陸予定地に数匹のネズミがいる。絶対に勝てない。渾身の力で着地点を数メートル先に伸ばした。
ガサッ
なんとか着地。ネズミの一匹がオレに気がつくと、他のネズミがそれに続く。
やばい、飛ぶ準備ができていない。間に合わない。覚悟を決めて、鎌から指を出して毒ナイフを握る。カバンをみると、カブトムシの背羽根が入っていた。ありがとう、盾にするよ。
グッ、
衝撃が盾を伝って身体にくる。そのまま、はね飛ばされる。だが、それだけでは終わらない。なんとか、毒ナイフを目に突き刺したが刺さったままだ。
すぐさま、体制を整えて盾を構える。しかし、目の前でネズミが飛んでいった。と言うか、跳ばされた感じだ。逃げるなら今だ。
他のネズミが追ってくる音がしている。
すぐに飛び立ち。二匹目のネズミからとりあえず逃げた。空からの攻撃はなんだ?鳥、コオモリ?
空からの攻撃はネズミ狙いかもしれない。
しかし、ネズミは多い。周辺のネズミが集まって来ているみたいだ。
ヤバイ、ヤバイ
50メートルくらい先に窪地が見える。そこまで、必死に飛んだ。崖地なら隠れる場所があるはずだ。羽根の力を弱め、急降下。
ポチャン
あ、水に落ちた。オレは浮いてる。流れが無いみたいで移動していない。池か沼かな。
ひとまずネズミから逃げ切った。
しかし、水中からなにかが来て、オレを食った。