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半分魔物と呼ばれて  作者: 伝説の男前
5/12

道を探して

「それって、カマキリと魚か爬虫類のハーフ?」


「あくまで可能性だ。ハーフは見たことない」


「ちょっと、変身してみる」

と言って、パンツを脱ぐ。

やっぱり、カマキリにしかならない。


「何かのきっかけが必要なんじゃないかな」

とダレかが言った。ゴキブリのオッサンだ。


「儂はずっと人間だったが、カブトムシに脅されてビビった時、いつの間にか飛んでいた。気がついたら壁に張り付いていた。その時、初めてオレも虫だったでわかった。半分悲しかった、ゴキですから」


「一番安定した種族だろ気にするな」

とカブトムシが言った。


「何かのきっかけか...」

と言って、オレはパンツを履いた。


「ところでおまえ、これからどうする?我々と一緒にいるか?旅立つか?だが、旅立った奴らは何人かいるがダレも帰ってこない」


「オレは元の身体、人間に戻りたい」


「紐ビキニに拉致して聞いてこいよ。哺乳類は強いぞ」


「お前こそやれよ。いつも留守番だけじゃないか」


「なんだと」


喧嘩だ。


「止めろー」とアリのショウジが言った。


静かになった。そしてショウジが続ける。


「カマキリはまだ若い。自分の道は自分で決めろ。お前には選択肢がある。怪我をして動けないのが多い我々だ」


「人間に戻るために何でもする。その過程で死んだとしても後悔はしない」


「よし。よく言った。少なくとも、ウサギの居た城には戻らない方がいいぞ」


「わかった」


「それと、移動は夜がいい。昼だと、トンビと鷹に狙われる」


「餞別をやる。蜘蛛の糸で作ったカバンだ」と蜘蛛におねーさんが言った。


「ありがとう」


「オレはナイフをやる。麻痺の毒がでる」

と言って、尻尾の針のないスズメバチが言った。


「これは。。。」


「気にするな。ねずみから逃げたときに遺品だ」


「ありがとう。カバンにちょうど入る。人間の時の武器にするよ」


「出るなら、今のうち、暗い方が良い。気をつけてお行き、坊や」とてんとう虫のおばさんが言った。


「みんなありがとう」


そして、ショウジに教えてもらった方向に飛び立ったのだ。

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