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半分魔物と呼ばれて  作者: 伝説の男前
2/12

逃走

そこで見たのは人間に見えなかった。

尻尾の生えているやつ。

羽根の生えているやつ。

全身鱗だらけのやつ。

骨格が全然違うやつ。

手が四本あるやつ。


「ここにいるのはあなたの兄弟よ」

紐ビキニが言った。


「みんな、よろしくね」


「わかった。よろしく兄弟」

「よろしく」

「:「(「:*:$/「『」


オレは返事をしなかった。気持ち悪くて、おぞましい。

紐ビキニが出ていったあと、部屋の隅で体育座りでじっとしていた。怖い。逃げたい。

様子をみていると、部屋は出入り自由。


急に両方の腕から手にかけて激痛が走った。しびれる。

手を見ていると指と指の境目が無くなり、すべての指の痕跡が無くなり、魚のヒレの様になっている。

オレも化け物?嫌だ!

まだ痺れがある。腕の変異が続いている。

ヒレの様になった手がカマキリの手のような形になり、硬質化した。

ああー、怖い。自分の顔を見たくない。

それから、じっとしていた。


ドアが開き、食事が運ばれてきた。兄弟と言う連中が食事に群がっている。クッキーとフルーツ。

流石に腹が減っている。


兄弟の群れが無くなると立ち上がり、食事の方に移動した。

ダレも人の事なんて気にしていない。いや自分の事でいっぱいなんだろう。


ミカンのようなフルーツを手に取ろうとするが、手のカマキリ歯で真っ二つに切れてしまった。クッキーも同様に切ってしまった。これでは食えない。

ゆっくり両手で覆うようにフルーツを抱え上げるとカマキリ歯から指が出てきた。その指でフルーツを掴むことがで来た。

カマキリ歯ではあるが自分で制御して人間の手として使えるようだ。

クッキーを三個とフルーツを二個を持って、部屋の隅で食った。


食ったら眠くなった。少し眠ってしまった様だ。

足がバッタのようになっている。


「ああー」


声が漏れてしまった。自分の顔は見たくない。

ここは嫌だ。逃げたい。

出入り自由なのを思い出して、部屋の外に出ることを決意する。


ゆっくり出口まで移動する。そのまますんなり部屋の外へ移動。ダレもなにも言わない。

外に出ると廊下の行き止まりだった。

まっすぐ進む。トイレ、洗面所、シャワーを抜ける。

階段がある。ここは上の階みたいだ。窓があり開いている。三階くらいの高さだ。

下の階には扉だけがあり、鍵が閉まっていた。

何も無いことを確認して部屋に戻り、今後の作戦を考えた。


その夜、オレは死ぬ気で三階の窓から飛び降りた。

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