8話
ローゼムの街にやって来た。
この街に入ってすぐに気づいた事、それは亜人の存在だ。
まず目に付いたのは全身が毛に覆われた獣人。
その他にもよく見ると人間とは異なる特徴を持った人が多くいることが分かった。
「ああ、君のいた世界には亜人はいなかったんだな。
あそこにいるのは狼人、あっちはエルフだろう。
この国は亜人差別はないがね、隣のバリオン教国では凄まじい差別があるという。
君もその辺りは気をつけると良い。」
というのがリーナさんの言葉。
この国はノルン王国、王政の国で亜人差別もなく、王国騎士団の中にも亜人が結構いるらしい。
隣の国はバリオン教国、教皇をトップに据えて人間至上主義を掲げているらしい。
うむ、隣の国には近づかないようにしよう。
それにしてもリーナさんに話しかけて良かった。
こんな情報俺一人では中々得られなかっただろう。
さて、亜人に驚きながらもリーナさんの足取りは止まらない。
どうやら目的地があるようだ。
もしかして今まで優しくしていたのは罠で俺を人買いにでも売るつもりか?
…そもそも奴隷とかあるのかな?
なんてふざけた事を考えているとどうやら目的地についたようだ。
中々に大きな建物で入口の扉の上には看板があった。
「えっと、冒険者ギルド?」
看板にはそう書いてある。
ん?リーナさんは冒険者で何か用事でもあるのかな?
不安ながらもギルドに入っていくリーナさんへ着いていく。
中に入ると恐らく冒険者と思われる人達がいたがそちらには目もくれず受付と思われる場所までリーナさんは歩いて行った。
何か注目を集めているようで居心地が悪かったがリーナさんの後を着いていく。
「あれ、リーナさんじゃないですか。お久しぶりですね。
今日はどういった用件で?」
「やぁ、エマ。久しぶりだね。
今日は新人を連れて来たんだ、それもちょっと変わったね。」
ん?リーナさんが久しぶり?
っていうとリーナさんって冒険者じゃないの?
というか新人?
「むむ、珍しいですね。リーナさんが新人を連れてくるって。
おやおや、その格好…もしかして異世界人ですか?」
エマさんの言葉に一瞬周りがザワッとする。
あれ?異世界人って珍しくないんじゃ?
というか新人って俺か?
「その通りだ。
彼はレン、この世界には来たばかりらしい。
私も騎士団の仕事で忙しいのでね。
ここに来るのが手っ取り早いと思ったんだ。」
んん?リーナさんって冒険者じゃなくて騎士だったの?
というか俺冒険者になるの?
自分の意思は何も発せられないままどうやら俺は冒険者になるらしい。