5話
スラ吉を仲間にしてすぐに頭の中で声が響いた。
最近聞いたこの声はどうやらあの女神のようだ。
「おーい、聞こえる?聞こえてるみたいだね。
そういえば魔法の使い方くらい教えてあげようと思ってたの忘れてたよ。
ちょうどそこに傷ついたスライムがいるよね?」
おい、そういう大事なことは忘れないでくれ。
まぁ、思い出してくれたみたいだし良いか。
それにしても傷ついたスライム?
もしかしてスラ吉のことか?
傷ついているようには見えないけど。
「その子のことだよ。スライムの傷は見にくいけどね。
治すってイメージを強く持って手をスライムに当ててみて。
そうしたら勝手に発動するはずだから。
魔法に大切なのはイメージ。やってみて。」
イメージ、ねえ。
まぁ、とりあえずやってみよう。
治す、治す、治す、治す。
手を当ててみるが何も起こらない。
「違う違う、もっと具体的にさ。
もっと傷ついたスライムをイメージして、その傷が治ってく姿を想像するの。」
難しいこと言うな。
スライムの見た目から傷ついたところとか考えにくいんだよ。
しかしやるしか無い。
スライムから血が出ていて、それが止まり、傷が塞がっていく。
イメージが固まっていくと同時に体から力がある抜ける感覚がある。
スラ吉を見ると喜んでいるのか飛び跳ねている。
どうやら治療は完了したようだ。
「よし、大丈夫そうだね。じゃあね。」
「ありがとな。それで聞きたいことが、ってもう返事かねえな。」
早々と用を済ませると女神からの返事はない。
まぁ、死んでもいないのに女神と何度も話すのは良くないのかもしれない。
スラ吉も喜んでいるしここは感謝しておこう。
「スラ吉、良かったな。
そういえばスラ吉、この辺りに町ってないのか?」
言葉が通じるか分からなかったが一応尋ねてみた。
スラ吉はある程度撫でられるのを楽しんでからまるでこっちだと言わんばかりにある方向に動き始めた。
こっちに町があるのかな?
不安は残りながらもスラ吉の案内のもと、森での歩みを進めた。