3話
「さて、烏丸君。ちょっと『ステータス』って言ってもらって良いかな?」
ん?ステータス?ゲームみたいだな。
「『ステータス』」
[名前] 烏丸 蓮
[ジョブ]治癒士、テイマー
[レベル] 1
[魔法] 治癒魔法
[スキル] 言語理解、テイム
[体力] 32
[魔力] 79
[腕力] 34
[敏捷力] 28
[器用さ] 37
[運] 10
俺の言葉と同時に目の前にステータスが表示される。
おお、本当に治癒士とテイマーになってる。
「おっ、出たみたいだね。
一応これが私からのサービスだよ。
強さの指標があるとやる気も出るだろ?
ただ向こうにはステータスって文化はないからね。
そこんとこは気をつけてね。」
ああ、ゲームみたいと思ったが俺用だったのか。
確かにこれはあった方がありがたいな。
「なあ、この言語理解って?」
「君、突然海外行ってその土地の言葉話せる?
何言ってるかわからず、自分の言葉は通じない。
そんなところで生きてく自信ある?」
…ない。はっきり言える。自信はない。
「まぁ、それこそ最低限のサービスだよ。」
「それはどうも。
で、俺はその世界に行って何をすれば良いんだ?」
「?別に?
治癒士としてお金を稼いでも良いし、テイマーとして魔物と旅しても良いし自由だよ。」
んん?って言うと本当に自由なのか。
死んでしまってショックだったが第二の人生を歩めると思えばそれはそれで良いかな。
「さて、そろそろ良いだろ。君は新しい世界に行く。
その世界では見るもの、聞くもの、食べるもの、全てが体験したことが無いと思う。
でも恐れないでほしい、君は自由なんだから。
さあ、旅立ちの時間だ。」
女神の言葉を合図に瞼が重くなる。
ちょっと待ってくれ。まだ聞きたいことがあるんだ。
その世界のお金のこととか魔物のこととか。
ああ、くそ。瞼を開けていられない。
「君の新しい人生に幸あれ。」
女神の言ったか言ってないか分からないような小さな言葉を最後に俺は再度意識を失った。