1話
「お疲れ様でーす。」
いつものようにバイト先でタイムカードを切り帰路に着く。
時間は23時過ぎ、帰って風呂に入り寝たら、学校に行く。
毎日のバイトを辛く感じることもあるが仕方ない。
これも生活をしていくためだ。
それなりの成績で卒業して、それなりの会社に就職すれば、それなりの生活が待っているだろう。
このところほのかな頭痛を感じるが、これから待ち受ける就活期間のことを考えると泣き言も言っていられない。
だから明日も明後日も、その後も何気ない毎日を過ごす。
いつもと変わらぬ毎日、この日々が続いていくと思っていた。
〜〜〜〜〜
「おーい、起きてよ。おーいったら。」
耳元で響く女性の声で意識が徐々に覚醒していく。
……女?俺の耳元から女の声?
おかしい、そんな状況は実家にいた頃オカンが起こしに来た時くらいだ。
だがここは実家ではない。それにこの声はオカンではない。
まさか酔っ払ってやらかした?
いや、昨日は酒なんて飲んでないし、そもそも俺は酒には滅法強いしな。
そうか、きっと夢とごっちゃになっていたんだな。
そうと分かれば二度寝するか。
今日は昼からしかゼミはないしな。
「コラーッ、なーに二度寝かまそうとしてんの?
烏丸 蓮、起きないとあんたのベッドの下のブツがどうなるか覚悟しときなさいよ。」
改めての女性の声に身を起こす。
おい、冗談でもやめろ。ベッドの下のブツは俺の趣味がモロに出ているから見られちゃマズイんだよ。
……って、夢じゃない?
「やっと起きたようね。おはよう、ナース大好き君。」
声の聞こえる先を見ると女性。
だが普通の女性じゃない。一言で言うと……
「露出狂?」
「だーれが露出狂か。
あんたね、初対面の相手に普通そんなこと言う?
ふぅ、私の名前はアマテラス、女神よ。」
???
女神?露出狂じゃなくて女神?
なーに言ってんだ、こいつ?
…それにしてもここどこなんだ?
だだっ広い割に何もないし、明らかに俺の部屋ではないが。
「…っていうか、何で俺の趣味を知ってるんだ?
なぁ、見たのか?見たのか?」
良く良く考えると誰にも知られてない俺のナースフェチが知られていた。それにベッドの下に隠しているブツを何で知ってる?
色々と可笑しな点が多い。
「見てないわ、でも知ってる。
言ったでしょ、私は女神だって。
さて烏丸 蓮、ようこそ死後の世界へ。」
突然の目の前の自称女神の発言に、俺の思考は停止した。
読んでいただきありがとうございます。
とりあえず書溜めがある程度ありますのでそれは順次投稿していきたいと思います。
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