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ご主人様とゆく異世界サバイバル!  作者: リュート
戦争に向けてサバイバル!
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第399話~父祖竜と始祖の娘の物語~

間に合った( ˘ω˘ )

 晩餐会を終えた後は皆で風呂に入り、そしてその翌日。ドラゴニス山岳王国の建国記念祭当日である。

 え? 昨日の晩餐会とかその後の風呂とかどうしたのかって? 晩餐会は前夜祭とは言え特に初日の晩餐会とあまり代わり映えしなかったな。接待役が王太子殿下から王女殿下達に変わったくらいで。

 王女殿下達は俺とグランデ、そして他の女性達との甘い――甘い? とりあえず俺達の普段の様子はメリナード王国のことに興味があるようで、色々と聞いてきた。質問攻めというほどにやかましくもなく、また彼女達は聞き上手で大変に楽しく話ができた。

 最終的には俺が囲っている――というより俺を囲っている女性の多さに驚愕していたな。


「コースケの甲斐性と頑健さの為せる業じゃな」

「手加減してください」


 俺の切実な訴えは無視された。朝起きて一時間くらいで復活するとか、いざとなったら薬でなんとかするとかじゃないんだ。いつの間にか気を失って気がついたら朝を迎えているという状況を無くそうという話なんだ。

 そんな俺達のやり取りも彼女達にとっては楽しいものだったらしく、可笑しそうにクスクスと笑っていた。うまくすればグランデの子供と自分の子供を乳兄弟や乳姉妹にできるかもとか怖いことを言うのをやめようね。これ以上増やすのは無理だよ。枯れて死ぬ。ただでさえ獣人メイド達が増えたのに。

 今の所彼女達には手を出していないが、結局そうこうことになるような気がするんだよな。今はエレンとアマーリエ、それにハーピィさん達だけが妊娠、出産を経たわけだが、特に避妊もしていないわけで、なかなか妊娠しにくいという長命種のシルフィやアイラ、メルティ達もいずれは妊娠していくことになるだろう。恐らくそういうタイミングで彼女達ともそういう関係になるのではないかと俺は思っている。まだ先の話だが、そう遠い未来ではないのではないだろうか。

 まぁ、その時はその時だけれどもね。今更何人増えたところで責任の重さはそう変わらないというか、既に限界突破してるわけで。俺としては可能な限り、最大限手を出した責任を取っていくべく頑張る所存である。まぁ、実態としては手を出すというか大体手を出されているわけだが。

 でも、俺だって本気で抵抗して拒絶してるわけでもないしね。多分彼女達なりに俺が培ってきた倫理感を回避するというか誤魔化すためにそうしているんだろう。きっとそうに違いない。全体的にこっちの世界の女性は肉食度が高い気がするが、きっと気のせいだ。メリナード王国軍の男女比率とか、どちらかと言えば男の方が身を守るのに必死だとかそういう事実には目を瞑ろう。

 閑話休題。

 そういうわけで昨日の夜を過ごし、本日は朝――と言っても体感的には朝九時くらいのさして早くもない時間――から建国記念祭の開会式というわけである。


「つまらんのう」


 グランデはそんなことを言いながら大あくびをかましている。まぁ、グランデにしてみれば人族のこんな催し物というか儀式めいた行事というのはまったくもって関心の埒外にある出来事だろうからな。朝も早くからおめかししてただじっと座って――いやじっと座ってはねぇな。折角おめかししてるのに俺の膝にもたれかかってゴロゴロしてるわ。

 俺達の席には特別に長椅子という寝椅子というか、つまりデカいソファが用意されていたのだ。完璧に俺達だけ特別扱いだが、さもありなん。ドラゴニス山岳王国にとってグランデの存在は建国の父祖の伝説、その再来そのものだからな。少しでもグランデに心地よく過ごしてもらおうと苦心した結果がこれなのだろう。

 ちなみに場所も特等席というか衝立でボックス席のようにされていたりする。恐らくフリーダムにだらけるグランデの姿を衆目に晒さないようにするためなのだろう。


「私はまぁまぁ興味深い」

「そうね。私も面白いと思うわ」


 アイラとドリアーダにはこの行事も割と好評なようだ。実は俺も興味深く見ている。最初は国王陛下の訓示というか、建国記念日を祝うお言葉から始まったのだが、その後の儀式はまるで演劇のようなものだった。どうやらドラゴニス山岳王国の興りを再現したものらしく、青い竜と人間の娘が絆を育み、やがて竜がその身を人型へと変じて人間の娘と添い遂げるといった内容だ。

 その後、竜と娘は山に巣食う魔物達を倒し、そんな彼女達の元に住処を追われた人々や竜を信仰する種族達が集まり、紆余曲折を経てドラゴニス山岳王国を作り上げたと。


「で、最後は後のことを子供達に任せて二人でどこかへと旅立っていった、と」

「興味深い。人間の寿命を伸ばした?」

「竜なら何でもありそうな感じはするわよね」


 最後に青い竜に乗って飛び立っていく娘の姿は最後まで若いままであったという。竜の伴侶となった恩恵だとか劇中では説明されていたが、実際にはどうなんだろうな。


「さぁのう。案外単に強大な竜の精を受け続けたからとかかもしれんの」

「直接的過ぎる」

「でも、ありえそう。竜の血は加工すれば欠損した肉体を補うことができるほどに魔力と生命力に溢れている。始祖の娘は何十人も子供を産むくらい父祖の竜と交わっていた。竜の精は血よりもそういった効果が高いのかもしれない」

「……将来、アンチエイジングのために雄の竜が狩られたりしないよう祈ることにするよ」


 短命種にとって若いままの姿を保ち、寿命を伸ばすという物質はあまりにも価値が高すぎる。将来、技術や文明が発展して人族が竜すらも凌駕する力を手に入れたら、もしかすると竜狩りが産業として発展するかもしれない。地球でも一時期クジラが乱獲されたりしたわけだしな。

 まぁ、竜は強いだけでなく賢い種族だ。もしそんなことになれば座して滅びを待つようなことはしないだろう。


「そんなバカな、と言いたいがコースケが作る武器や道具、乗り物を見ているとのう……絶対に無いとは言えなさそうなのが」

「ん、わかる。魔導飛行船の発展する先には単独で竜をも討つ兵器かもしれない」


 グランデの言葉にアイラが頷く。確かに、魔導飛行船がもっと早くなってもっと堅くなってもっと攻撃力を獲得すれば可能性はあるな。竜の攻撃を受けてもびくともしない装甲や結界、そして竜の鱗すらも穿つ攻撃力を得るのは並大抵のことでは無さそうだが。


「そろそろ終わるようです」


 父祖竜と始祖の娘が旅立った後、子供達は協力して民と国を守り、今に至ると。それでドラゴニス山岳王国の建国劇は終わりらしい。後は各国の代表がお祝いの言葉を述べたら宴会だ。ここ数日で何度目だったかね。そろそろ宴料理も食傷気味だが、なんとか乗り越えるとしよう。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] グランデの兄貴二人から精子を提供してもらってコースケが飲む展開?
[一言] (*ゝω・*)つ★★★★★
[一言] 400話おめでとうございます 魔導飛行船と竜だとだいたいの基本性能で竜が上だからなあ。クジラだって捕鯨船を撃沈出来る手段があれば捕鯨そのものが無理だったろうし。
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