第037話~最前線は実験場~
今日は休むと言ったな? あれは嘘だ_(:3」∠)_(がんばったんです
朝食を終えたら俺は再び作業である。まずは宿舎作りと井戸掘り……なのだが。
「ジャギラとピルナにやっておいてもらいたいことがある」
「なんだ?」
「なんですか?」
朝飯を食って復活したジャギラは元気いっぱいだ。ちなみに、朝飯は焼いたパンとスープ、サラダにステーキである。全部クラフトで予め作っておいたものを出した。朝から重いと思うかも知れないが、基本的にここにいる面子は肉体労働者なのでぺろりと平らげていた。というか、ピルナと俺以外はおかわりまでした。
まぁ、それは良い。俺はジャギラの前にクリップ装弾された銃弾をバラバラとインベントリから取り出して積み上げていく。その数合計五〇〇発。
「銃を駄目にしてもいいから、撃ちまくってくれ。耐久力のテストだ」
「マジか」
「マジだ。ただ、危険もある。連続発射によって銃身は当然加熱する。そうすると精度が落ちるし、場合によっては暴発なんて危険性もあり得る。それに銃身だけでなく発射機構や装填機構の故障だって考えられる。危険だが、やってくれるか?」
「任せろ」
テーブルの上に大きめの籠を置くと、ジャギラは籠いっぱいに弾薬を詰めて防壁の上に登っていった。まずはこれで一つ。
「ピルナには手投げ弾の重さについて調べて欲しいんだ。持って問題なく飛べる重さの限界を計ってほしい。問題なく飛べるってのはギリギリ持ち運べるって意味でなく、味方陣地から敵陣地に爆弾を何度も投下することを想定して欲しい。重すぎたら回数が飛べなくなるし、下手すると敵陣のど真ん中に墜落することになる、余裕があるくらいがベストだと思う」
「なるほど、わかりました」
「工具と木材、鉄や石を適当に置いておくから、誰か手伝ってあげてほしい。あと、これ」
インベントリから柄付き手榴弾――のダミーを四個ほど取り出す。
「火薬の入ってないダミーだ。参考にしてくれ」
「はい!」
「私が手伝いましょう」
ザミル女史がピルナの手伝いをしてくれるようだ。これでとりあえずは安心だな。
「それじゃあシルフィとレオナール卿は俺の随伴ってことで」
「わかった」
「わかったのである」
各々作業のために散っていく。さて、俺は宿舎づくりだな。
「俺は宿舎を建てていく。レオナール卿はミスリル武器をどんなものにするのかも考えておいてくれよ」
「おぉ! 任せるのである!」
「コースケ」
「ん?」
シルフィに呼ばれて振り返るが、なんだかシルフィは深刻そうな表情だ。どうしたんだろうか?
「どうした?」
「……いや。建築、頑張ってくれ」
「? ああ、任せろ」
どうしたんだろうか? よくわからないが、頑張れと言われたからには頑張る。と言っても、豆腐ハウスをぽこぽこ立てていくだけなんだけどね。形も大きさも決まっているから何も難しいことはない。
本当に荷物を少し置いて寝るだけって感じの宿舎をバンバン立てていく。二人部屋が四つに八人が過ごせるくらいのリビングが一つって感じの部屋割りで、同じ間取りで二階建てにする。一つの建物に十六人が住める計算だ。これを二十個も作れば三百人分の住居になる。
居住性については正直目を瞑っていただきたい。一応各部屋に窓はつけてある。しっかり木製の雨戸付きだ。建物の大きさや間取りに関しては一昨日メルティやキュービ、アイラの監修の下で作られた。雨戸も必要個数をクラフト済みなので、取り付けは簡単である。
「しかし、物凄い勢いで建物が建っていくのは圧巻であるな」
「そうだな。コースケの力は凄い、としか表現できん」
ははは、そう褒められても何も出ないぞ。
最後に作り終わった宿舎のチェックを俺とシルフィ、レオナール卿の三人でやって宿舎づくりは終了だ。
次は井戸掘りである。
「シルフィ、頼むぞ」
「任せておけ」
井戸は直下堀りでガンガン掘る。空気はシルフィが風魔法で上から送り込んでくれるから心配ない。壁が崩落しないように石垣ブロックで壁面は固めていく。石と粘土だけで作れる上にそこそこ頑丈で使い勝手いいんだよね、これ。
7mほど掘り下げたところで水が出始めた。もう1mほど掘って、これで深さは8mだ。これなら手押しポンプも使えるな。あれって10mくらいまでしか使えないとかネットで見たことがある。
ちなみに手押しポンプも作成済みだ。一個作って難民区画の井戸に設置したら凄く喜ばれた。滅茶苦茶喜ばれた。
そして難民区画にある全ての井戸に取り付けると約束させられた。
あと、アイラに研究用ってことで一個持っていかれた。なんでも難民の中でも手先の器用な人達を集めて研究するらしい。構造は意外と単純なんだよな、手押しポンプって。
さて、良い感じに水が出たから後は上に登るだけだ。予め作っておいた10mの木製梯子をインベントリから取り出し、石垣の壁面に立てかけて脱出する。
「ご苦労であるな」
「水は出たか?」
「出た出た。森よりも深く掘る必要があったけど」
「そうか。飲めるかどうかの検査は明日だな」
「精霊魔法って凄いよな」
水の精霊魔法で飲める水かどうかの判別が出来るのだそうだ。ある程度井戸に水が溜まって、時間を置いて水が澄んでからじゃないとだめらしいけど。
「全部で四本掘るという話であったな?」
「ああ、ささっと行こうか」
断続的な発砲音が聞こえる中、井戸を掘っていく。今のところは調子よく撃ち続けられているようだな。
同じ作業を繰り返して更に三本の井戸を掘る。全ての井戸で問題なく水が出た。とりあえずは一安心だな。
「掘れば水が出るのになんでオミット大荒野にはまともに植物が生えてないんだろうな」
「精霊石の事象崩壊攻撃を乱用した結果、土地の精霊力が乱れてまともに植物が育たなくなってしまったと言っていたぞ」
「誰が……って長老衆か」
「うむ」
精霊石の力ってすげー! 人体に悪影響とか無いだろうな? オラちょっと怖くなってきたぞ。
☆★☆
井戸を掘り終わったら今度は砦全体の整備を進めていく。トイレもただ穴を掘った簡易的なものではなく、本格的な汲み取り式便所を作る。構造については詳しい人が難民の中に居たので、その人に聞いてきた。
メリナード王国の王都や大きな都市などには魔法を利用した上下水道が整備されていてトイレも水洗式だったそうだが、そうでない中小の都市や農村部では汲み取り式便所を使っていた。彼女はそういった場所で何度かトイレを作ったことがある職人だったのだ。
まぁそれは良い。トイレは火薬作りにも関連するものなので、結構真面目に聞いてきた。実際に彼女の目の前で作り、指導もしてもらった。完璧だ。
「コースケ殿は便所に特別な思い入れがあるのであるか?」
「いや、別にないけど。清潔なのは大事だぞ? 不潔だと病気にかかりやすいからな」
「確かにそうだな」
こんな砦の中で何十人、何百人って人数が生活するのだ。公衆衛生をしっかりしないとあっという間に疫病で阿鼻叫喚の地獄絵図なんてことになりかねない。リアルバイオハザードはノーセンキューである。
「確かに疫病は恐ろしいのであるな」
レオナール卿も俺のトイレへのこだわりには納得してくれたらしい。まぁ敵に対してなら汚い爆弾でもなんでも使うけどね、俺は。そういう意味ではうんこもおしっこも戦略物資なのである。
実際、昔の攻城戦では防御側が沸騰したお湯や熱した油などと共に屎尿を投下したりしてたらしい。あとは鏃に塗ったりね。なんて恐ろしい……震えるぜ。
トイレは必要と思われる数を作っておいた。なんせ最大三百人分だ。数も当然多くなる。そして男女比率の関係で男性用よりも女性用が圧倒的に多くなる。これは仕方ないね。
トイレの再整備も終わったので、今度は農地づくりだ。とは言っても、農地に関しては黒き森の土を使って作った農地ブロックがある。なので、まずはこいつを使ってみようと思っている。
なんせ俺のクラフト能力で作ったアレだからね。アイラの目がまた虚ろになるレベルのやべー能力があっても俺は驚かない。
いやね、だってサバイバル系ゲームの能力をそのまま引っ張ってきてるんですよ? 種蒔いてから三日くらいで作物が収穫できるようになってもおかしくないと俺は思うね。
そういうわけで農地にする予定の場所をシャベルで掘り下げ、農地ブロックを配置していく。
「えらく肥えた土であるな」
「黒き森の土を使った農地ブロックだからな。俺の能力と黒き森の土が合わさり最強に見えてもおかしくない」
次に農地ブロックをクワで耕す。畝を作らなきゃね、そぉれ、そぉーれ。
「姫殿下やアイラがたまに頭を抱えている理由が我輩にもわかってきたのである」
「わかるか」
「耕すのたーのしー!」
クワを一振りすると一平方メートルの地面が適度に耕され、良い感じに畝ができる。一振りで。
俺はコマンドアクションで農地ブロックの上を後方にスライドしながらどんどん農地ブロックを耕す。畝ができる。耕す。畝ができる。とても楽しい。
耕し終わったら、次は種を植える。今回用意してきたのは穀物の種だ。いつもメルティに挽かされているトウモロコシみたいなやつじゃなくて、小麦みたいなやつだな。
「吾輩も頭が痛くなってきたのである」
「わかるか」
「種植えるのたーのしー!」
小麦の種が入った袋を手に持ち、右クリックを意識すると一瞬で一平方メートルの範囲の畝に種が蒔かれ、即発芽して緑色の芽が出てくる。種を蒔く。発芽する。種を蒔く。発芽する。とてもとても楽しい。
「おーい、全部撃ちきった……って畑? え? なんで?」
ボルトアクションライフルをスリングで肩にかけたジャギラが目の前に広がる、というか現在進行形で広がっていっている畑を見て目を丸くしている。
「……姫殿下、最初に発芽した芽がもう伸びてきているのであるが」
「……コースケのすることだから」
しまった、水を撒かなければ。じょうろは作ってあるから……井戸水を使ってみるか。飲むのはアレとしても、ちょっと畑に撒くぐらいは大丈夫だろう。
自前のダッシュとコマンドアクションのダッシュも併用してじょうろに水を汲みに行く。手押しポンプに呼び水として飲料水のペットボトルの水をいくつかぶちこみ、ぎっこぎっこと動かして水を出す。おお? なんか水が透明だぞ? まぁ細かいことは気にしなくてもいいか。いいから水撒きだ!
何度か井戸と畑を往復し、全ての小麦に水を撒き終える。うーん、これは要改善だな。畑用の井戸と、雨水を貯めるタンクでも作るべきかもしれん。
いや、待てよ……? ブロックが空中に浮かんだりするならアレが使えるのでは……? いや、しかし……流石にあれは無いと思うが……やってみるか?
問題は水源の確保なんだが……しまったな、川から水を汲んでおくべきだったか? 井戸水で代用できないかな? ダメ元でやってみるか。
畑の横に横幅4m、奥行き4m、深さ2mの穴を掘る。
「何をしているんだ?」
「いや、ちょっと実験をネ?」
底に石垣ブロックを敷き、更に縁を囲むように石垣ブロックを配置する。これで横幅2m、奥行き2m、深さ1mの穴ができる。その穴の対角線上にバケツで水を注ぐ。
「コースケ?」
「なにかな?」
「何故バケツ二杯の水でこの穴になみなみと水が満ちているんだ?」
「ははは、なんでだろうな」
そう言いながら俺は空のバケツに水を汲み、インベントリに入れていく。
「あと、さっきから空のバケツに何度も水を汲んでいるのに水が減っているように見えないんだが」
「気のせいじゃないかな? 目の錯覚とかだよきっと」
「いや、どう考えても」
「シルフィ、これは井戸。ちょっと不思議な井戸だ。いいね?」
「わ、わかった」
有無を言わさぬ俺の態度に何かを感じ取ったのか、シルフィは素直にうなずいてくれた。いい子だ。まさか無限水源を作ってしまいましたとも言えないので、これはちょっと不思議な井戸だということにしておく。
出来心で作ってしまったが、これはなんというか非常にデンジャラスだ。いくら汲んでも尽きることのない水源とかどう考えてもヤバい。アイラの目がまた死ぬ。
そういえばたいまつの尽きることのない炎だが、あれは光源としては無限だけど炎が何故か熱くないんだよね、設置したやつは。手持ちの時はちゃんと他のものを燃やせるんだけどな……不思議だ。
「おっと、そうだ。ジャギラ、ライフルの調子はどうだ?」
「五〇〇発全部撃ち尽くしたけど、トラブルはなかったぞ。精度も殆ど変わらなかったと思う」
「マジか。わかった、そいつは預かる。こっちを使ってくれ」
「わかった」
五〇〇発の試射を終えたボルトアクションライフルを受け取り、予備の新品ボルトアクションライフルをジャギラに渡す。今度四倍スコープでも作ってみようかね。
それにしても、五百発くらいじゃ全く問題なしか……元々の性能が優秀なのか、俺が作ったクラフト品だからなのかは判断に困るところだな。だが、とりあえず一度の戦闘で使えなくなるということは無さそうで安心はした。サンプルとしてはこれくらいじゃ少ないと思うけどな。
ジャギラから受け取ったボルトアクションライフルをチェックしながらそう考えていると、ピルナとザミル女史も現れた。そして俺の耕した畑を見て愕然としている。良い畑だろう?
「何故畑が……?」
「もう芽が出て伸びてる……」
呆然としている二人を正気に戻し、成果を聞いてみる。そうすると、ベストな柄の形状と爆弾の重さがだいたい決まったという。
「結構重いぞ、これ。大丈夫なのか?」
「それくらいなら大丈夫ですよ。片道10kmくらいなら何度でも往復できます」
「ふむ、なるほど」
試作模型は柄付き手榴弾のダミーを改修して作られていた。柄の末端に太めの横木を追加し、T字型に加工してある。なるほど、この方が持ちやすいし投げやすいのね。弾頭部には金属で重りが追加されており、全体の重量は標準的なダミー手榴弾の四倍くらいだろうか? これはかなり火薬を多く積めるな。弾頭重量は六倍くらいになってそうだ。多分3kgくらいあるぞ、これ。
「わかった、これを参考にいくつか試作品を作ってみる。ザミル女史はミスリル武器のデザインを練っておいてくれ」
「承知」
とりあえず砦の整備については一通り終わったので、昼食を取ったら俺は兵器開発に勤しむことにする。レオナール卿とザミル女史、ジャギラとピルナには砦周辺の偵察をしてもらうことにした。シルフィは俺の傍についていてくれるようだ。
「では、行ってくるのである」
「気をつけてな」
この辺りにいるのは基本的にギズマだけなので、この四人ならまず遅れを取ることはあるまい。俺は鍛冶施設と作業台をインベントリから取り出し、狙撃用のスコープやハーピィ用航空爆弾の開発を開始する。
創造者のスキルを取ってからというものの、アイテムクリエイションが非常に楽になった。結構曖昧なイメージでも最適化してレシピを作ってくれるから非常に楽だ。
アイテムクリエイション機能でレシピを追加したアイテムは最初から登録されているものに比べてクラフト時間が長かったり、素材が重かったりする気がするけど。まぁ、妥当なデメリットだろうな。
・四倍スコープ――素材:ガラス×5 鉄×1 機械部品×4
素材はさほど重くないな。ただ、クラフト時間が長めだ。三十分て……まぁ仕方ないな。大量生産者のスキルを使うために十個作っておくか。そうすれば一個分お得。
改良型作業台がスコープ作成で埋まってしまったので、新しい改良型作業台を作っておく。材料があるからすぐに作れる。
「次はハーピィ用の航空爆弾か」
ピルナとザミル女史が作ってくれたサンプルを見ながらデザインを考える。基本は対人用途だし、砲弾型にする必要は無いよな。破片効果を向上させるために弾殻を厚めにして、火薬量は増量。信管は同じ形式で良いけど、装着しやすいように紐は改良したほうが良いな。重りの部分をフックにして、巻き付けてフックを掛けるだけで固定できるようにしよう。ちなみにレシピはこんな感じ。
・柄付き手榴弾――素材:火薬×2 鉄×1 木材×1 機械部品×1
・ハーピィ用航空爆弾一型――:火薬×6 鉄×3 木材×1 機械部品×1
柄付き手榴弾の三倍のコストかぁ……見合うだけの効果があると良いんだけどな。とりあえず十個ほど作っておく。柄付き手榴弾も三〇個くらい作っておくかな。
と、クラフト予約を入れ終えてふと顔を上げるとシルフィが何か言いたげな表情で俺を見つめていた。なんだろう? 困ったような、申し訳なさそうな顔だ。
「どうしたんだ?」
「その……コースケは、大丈夫か?」
「大丈夫って何が?」
質問が曖昧すぎて返答に困る。別に何も辛いことはないけど……? 寧ろ生き生きとやっている自覚しかないんだが。
「コースケは安全な国で、平和に暮らしていたんだろう? その、正直に言うと私は少し怖くなったんだ。ボルトアクションライフルも、手投げ爆弾も、物凄い威力の武器じゃないか。私のためとはいえ、そんなものをポンポンと作り出すことを辛く思ってはいないかな、と」
「ああ、なるほど……正直、あまり深く考えていなかったな」
正直な気持ちである。無責任かもしれないが、俺は今シルフィに言われるまで強力な武器を作ることそのものに楽しみを見出していた。作っているのは完全に対人用途の武器、つまり人殺しの道具なのにな。
「そう言われると、俺のやっていることの責任は重いな。俺の作った武器で、これから聖王国の人間がバタバタと死んでいくわけか……」
きっと俺は大いに恨まれるだろう。これから起こるであろう戦争で敵を直接殺すのは一人一人の兵士だが、その武器を作る俺は兵士の何倍、何十倍、何百倍、あるいはもっと多くの死を背負うことになるのだ。
「俺は地獄行き決定だな」
「じごく?」
「俺の世界で語られている概念だよ。閻魔様っていうとても怖い神様みたいなのが居て、生前の罪に応じて死者を裁き、相応の責め苦を与えるんだとさ。もちろん存在は証明されてないけどな」
肩を竦めて笑ってみせる。まぁ、どうかな? 異世界に転移して、超自然的な存在がちゃんと居るんじゃないかと思い始めてるんだよね、俺。本当に地獄とかもあるのかもしらん。
「なるほど、死後の世界か……この世界では人が死ぬと、魂は星になると言われているな」
「ロマンチックな話だな」
死後に星になるって話も確かに無くはなかったな、向こうにも。オリオンとかさ。
「だが、コースケがその地獄というところに行くというのなら、きっと私も一緒だろうな。コースケに武器を作らせているのは私なんだから」
「それは喜べば良いのか? 俺としては地獄に落ちるのは俺だけでいいんだけど。シルフィまで地獄に落ちるのは忍びないぞ」
「どんなに重い罪も、二人で背負えばその重さは半分だろう? コースケだけに苦しい思いはさせないよ」
「優しいご主人様だな。じゃあ、精々地獄の閻魔様に少しでも罪を軽くしてもらえるよう善行も積極的に積んでいきますかね」
「そうだな。殺すことだけでなく、救うことにも目を向けていかねばな」
シルフィが笑顔をみせてくれる。うん、シルフィの笑顔はいつ見ても可愛いな。
これから先、俺は大いに殺すだろう。だが、その分大いに人を救っていこう。シルフィには笑顔でいて欲しいから。
明日明後日もちょっと打ち合わせとかあるから怪しいんですよね。
お休みにせざるを得ない可能性があるから、その時は今日の更新に免じて許して!_(:3」∠)_(懇願




