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自嘲

「そう。その姿勢で聞いてくれ。」



「俺はここらで、あの方に自分の気持ちを伝えたいと思って、母親に相談した。すると母親からは『あの方はおやめなさい。』と言われた。寝耳に水だった。」



「意外だな。何かネガティブな情報が見つかったのか。ちょいエロだとか。」



「貴様と一緒にするな。母親が口にした真実は俺には大ショックだった。なんとあの方は実の兄だったのだ。」



「「「「「えええええ!」」」」」



 五人揃って○○レンジャー。



「何か回りがおかしいぞ。」



「生徒会のみなさん。お静かに。ここはオレに任せてくれ。」



「なんだか、奇妙な連中だな。続けるぞ。俺の母親はかなわぬ恋を阻止したわけだ。」



「どうしてそんなことをしたんだろう。そもそも兄妹なら、最初からそう話しておけばこんなことにはならなかっただろう。」



「そこなんだ。俺は落胆し、人生に絶望した!」



「どこかで聞いたようなセリフだな。」



「俺はその後、戦で死んだ。そして、ジバクとなった。」



「それで今ここにいるというわけか。」



「いや続きがある。母親の行動は一見冷たそうだが、実は俺のことを思っての行為だということなんだ。」



「「「「「というと?」」」」」



またも五人で口を揃える。



「これは実のところ、政宗のことを愛するがゆえ。というのも、母親からすると、実の兄を慕う政宗に真実を伝える義務がある。初めから教えておくべきことを言いそびれたんだな。それだけ、俺がは兄に傾倒してたわけだ。ははは。これは戦国の習いで、いつ敵味方に分かれるかもしれないためだ。でもそんな兄に靡いてしまったのは真実を最初に告げなかった母親の責任だ。母親は断腸の思いで真実を告げた。知らない方があるいは良かったのかもしれない。でも人間として真実を知る権利がある。俺が教えてくれと要求したわけではないけど、母親の最後の仕事として、今わの際に伝えたんだな。そのあと母親は逝去した。『恨まれてもいい。でも私はふたりの母親。非難を浴びても幸せ。』そんな声が聞えたような気がした。だからと言って母親を許したわけではないがな。」



 政宗は自嘲気味に話した。


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