きりりとした眉
「よし、お前たちは下がれ。」
政宗は後ろに向かって言葉を発した。
「「「「どうして俺たちが命令されるんだ。政宗はただの大名じゃねえか。」」」」
ぶつぶつ言いながら、信長たちは引き下がってしまった。
「おかしいぞ。やつらバリバリの武将だろう。どうして戦わせないのだ。こちらはストレスが溜まっているんだが。」
ソッコー美緒が苦情を述べた。
「ヤツらを見ろ。あの年だ。それに、そもそも戦国時代の大将というものは身なりは豪華に着飾っているが、自分で戦うことなどあり得ない。大将のところまで兵士が来た時はすでに敗北している。お前たちと戦っても負けるだけだ。」
政宗の説明はもっともである。
「じゃあ、ここに神たちが来た意味は何だ。」
美緒の額は『疑』となっている。
「戦うのはこの俺ひとりで十分だ。」
政宗は黒いマントを翻すようにして、脱ぎ棄てた。その下から現われた黒ずくめの衣装。とくに甲冑とかを身につけているわけではなく、なぜか学ランであった。背中には登り竜の絵。詰襟がしっかり締めてある。男子生徒会長っぽい。しかし腰にはしっかりと大太刀が差してある。柄の部分には薔薇の刺繍が施されている。
「ヤル気は十分のようだな。ではこの神がお相手をしよう。みんなは手を出すな。」
美緒は眉をきりりと浮かびあがらせ、気合いの入った表情。




