女子の象徴
万歩も同じように剣を持って、敵を倒し続けている。だがオレは何もできず、ボーっと佇んでいる。今のところはふたりで十分なようだ。三人だけで征伐に来たのもうなずける。
そうして、かなりの数を倒した頃。
「うわああああ~。」
オレが何もないところで転んだ模様。オレの倒れた先には由梨。傾いた時、手が何かに当たったのか?
「ちょ、ちょっと、都。戦闘中になに触ってるのよ。」
顔を赤くして、臀部を押さえる由梨。
「僕は何もしてないぞ。」
オレは自分の両手を広げて無実をアピール。
「じゃ、じゃあ、いったい誰が。」
由梨の後ろにいるのは他のジバクとは違う立派な身なりの武士。左右に金色の角が施された兜を装着している。月が雲に隠れて顔はよく見えないが、雰囲気が大将クラスらしき侍が由梨のオシリをなでなでしている。
「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああ~。」
由梨の絶叫が墓地の喧騒を超える。
「ちょっと、都、なんとかしなさいよ。」
由梨がオレに命令。でも何もできないオレ。万?も動かない。一方、ジバクのなでなでは止まらない。だんだんと攻撃領域を拡大しつつある。そのイヤラシ手つきは背中から前に向かう。いかに起伏が小さいとは女子の象徴である部分の危機。




