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普通の人間

その日は由梨も絵里華も先に帰宅するとのことで、オレはひとりで下校した。家に着いて、部屋の前に来た。



『コンコン』。自分の部屋なのにノックして入るという矛盾。小市民の憩いの場所を奪われている格好だ。騒々しさを予想していたが、意外にも静か。



「入るぞ。」



ダメ押し発言までして部屋にフェードイン。オレの眼前に広がったパノラマ。テーブルを囲む五人の女子。いやひとりはオバサンだが。



「こらあ!オバサンって誰よ?ここにいるのはをねゐさんだよ。」



 言葉は怒っているが、微笑んでいる。でも目は氷のよう。実に不思議な表情を見せる閻魔女王。ほかのメンバーは由梨、絵里華はいいとして、あとふたり?



「やっほー。まっほが来たよお。」



「この神もここに来ることになった。いやそちが呼んだからここに住むことになったというのが正しい神託だな。」



 ただやってきたという事実のみを述べて、来た理由とか、家宅侵入への許可とかスルーしているまほと意味不明なことをほざく美緒。この部屋は完全に定員オーバーじゃね?



「いったい、何をやっているんだ?誰の許可をもらってここにいる?」



 この言葉はまほ、美緒にだけではなく、気持ち的には全員に対するものである。



「きゃんきゃん。許可は閻魔女王様にもらってるよ。」



「今やってるのはトランプだ。見たらわかるだろう。」



 まったく回答になっていない。でもツッコむ気力も失せた。これだけのメンツをとても相手にできるものではない。それも普通の人間じゃないんだから。


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