言わないことが気になる
空っぽになった保健室の床がピカピカになっていたことにはオレは気付かなかった。
美緒と万?は『天の岩戸』に到着。別に変哲な場所ではない。1Fの自動ドア付き『保健室出張所』である。ここが自動ドアというのはもしかすると神がいる場所だからか?電気は24時間通電しているのか?どうでもいい疑問が浮かぶ。
「美緒、まっほたち負けちゃったねえ。」
「いいやそんなことはないぞ。少なくともこの神は戦ってないしな。また今度戦って勝てばいい。」
「そうだね。でも負けた気がするよお。なんかウエットな気分だよお。こんな時はいつも生きていた時のことを思い出すよお。」
突然異変が万?を襲った。
『バキューン』という音と共に万?は生まれたままの姿になった。
「きやあ~!」という奇声を上げる万?。小柄なのにメロンがふたつ。さすがアイドル的出来栄えだ。万?は両手でそのたわわな果実を隠している。これぞ『テブラ』である。そこにクローバーの8のカードが飛んでいく。万?のところに到達するとピンクの水着に変わり、裸身の万?を覆った。
「これって、まさかトリガーカード?」
万歩は目を白黒させている。
「そのようだな。『テレポート』だな。万歩、いいモノを見せてくれたな。」
「美緒のエッチ、いじわるう~!」
「そこじゃない。いやそれもあるが。ははは。カードのことだぞ。あの男の『撃たないで』という言葉が原因らしいな。空間を飛んでいくと解釈できるからな。どうやら、閻魔大王後継者見習いというのは間違いないらしい。我らの願いも叶うやも知れぬな。」
不敵な笑いを浮かべる美緒だが、眼は笑っていない。
(それとこの胸の灯火はいったい何なのか。あの者の『アイス』の真意を確認せねば。)
美緒は万歩に言わないことの方が気になる様子だった。




