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即死確実

ちょっと心配になり、警戒しつつ入り口の前に立つ。やはりドアは自動で開いた。



「きゃっほーい!!!」



 奇妙な声が聞えたので、本能的に身の危険を感じ、ドアを閉めようとした。



「ダメだよ、中に入らないと。病人はここでケアするんだよお。」



 白いナース服を着た女の子が出てきた。腰には不必要な大きなリボンが着いている。ナース帽を冠した髪は鮮やかな新緑のショート。肩にやっとかかるくらいの長さ。真ん丸とした目は大きく開かれ、吸いこまれそうである。


 

 紅を塗ったかのような赤い頬。やや厚めの唇。ここからアニメ声優のような甲高い声が発せられている。全体小柄だが、胸の隆起はアルプスを思わせる。



 アイドルチックな様子だが、ひとつ大きな違いがある。両手でやっと抱えられるような巨大注射器を持っているのだ。しかも人間ではない。頭に白い輪をつけている。



 いずれにせよ、フツーの人間には見えないが。注射器女子は直径10メートルくらいの円形のステージの上に立っている。アイドル気どりか?いやそんなことより、ここは本当に保健室かなのか?



「さあ、悪いところをこれで治しちゃうからね。覚悟だよお!」



 愛くるしい笑顔で、言ってることはヤバそうである。



「覚悟できないので、ここから退出しま~す。」



 礼儀正しいオレ。挨拶を一言し、すぐさま脱出を試みたが、ナース服はオレの腕を奪取し、袖をまくってしまった。



「痛くしないから、大丈夫だよお。」



 注射なんて、痛くない、怖くない。そう言われてそうだった試しがない。しかも注射器というよりは針のついた武器である。よく見ると薬と思しき液体はどす黒い紫色。RPGでは定番の毒薬オーラがはっきり、くっきり見えている。こんなの注入されたら即死確実。


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