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立場

眼を見張るような巨大なお城?いやお屋敷。そこの一室が見える。部屋は暗い様子でその隅っこにいるのは母親と小さな幼稚園児くらいの娘。顔や服装はよく見えない。



 黒い服をふたりとも来ているらしい。娘は和人形を抱えている。母親は娘を見つめながら泣いているようだ。



「ママ、元気だして。」



 娘が声をかける。



「そうやね。こんなことで泣いてられへんわ。絵里華にはいつもパワーをもらってるからな。おかあちゃん、頑張るで。」



「そう、その意気やね。パパにはたくさんの奥さんがいてはるけど、ママがいちばんきれいどす。」



「そうやな。絵里華の母親なんやもんな。絵里華はこの世で最高の娘なんやから、おかちゃんが最強の妻ってことや。」



「ねえ、ママ。この家、お金持ちと違うんどす?」



「そうやな。ここは紅葉院グループ言うて、関西では有名な大きな会社なんや。今の社長は2代目。先代が作った会社でな、元々は仏壇メーカーやったんや。それがどんどんおおきうなって、今では関西ではトップの大会社になったんやな。」



「そんなおおきな会社なら、ママもたくさんお金持ってるんじゃないんどす?」



「それがなかなかそうはいかへんのや。パパにはたくさんの奥さんいてはるし、おかあちゃんもなかなかパパにはあえへん。だから、絵里華もめったにパパと遊ばれへんのや。」



「うちはママがいてくれたらそれだけでいいんどす。ママ大好きどす。」



「ありがとな。おかあちゃんが大阪から京都に出てきて、このお屋敷でメイドとして働いていた時に、パパに見染められて絵里華が生まれたんやで。他の兄弟と絵里華は立場が違う。でも負けないで強く生きや。いつかセレブと言われるようになるんやで。」


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