昔話
絵里華の指示通りにやってきたオレ。
夜の音楽室は不気味。突然ぬるい風が頬を撫でる。
いかにも何か出そうな雰囲気満載。からだがひどくだるい。ブルッと背中を揺する。
「ちょっと、妙な動き方をしないでよね。」
だるさの原因は背中にあった。またもおんぶズマンに変身してここにやってきたというわけである。
『うひひひひひひひひひひひひ』。奇妙な笑い声。
「な、なんだ?で、出たのか?」
「キャー!!!」
((意外にビビリどすなあ。ほほほ。))
すでに戦闘モード。赤い水着。本体と共に和人形も同じ格好をしている。
和風でビキニ。なかなかオツなものである。制服では目立たなかった部分には目を見張らされた。
『ペシッ』
「痛っ。何するんだ。」
後頭部への軽い攻撃。
「べ、別に何となく。」
由梨もすでに戦闘服=黄色ビキニになっている。やはり起伏は見当たらない。絵里華の様子から霊界のバトルスタイルは元々ビキニらしいことが判明。
((ようこそ、おいでなはって、うれしう思います。))
「どうしてこんなところに、こんな時間に呼び出したんだ。」
((そんな不作法な質問は嫌われる元どすえ。だいたいの察しはついてはると思うどす。))
「ジバク絡みなんだろう。でも、そいつがどんなヤツで、オレは何をすべきなのか説明してもらおう。」
((本来ならここで、昔話のひとつでもと思ってましたが、そうは問屋が許しはりませんどすなあ。))




