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そっくり

「どうやらこれは誰かの呪いによるものでしょう。都さんが女性のからだになった時のようにね。」

 李茶土は表情を変えずにさらり。


「呪いだと?いったいどこの誰が?」

 美緒はすでに糸電話を外して通常モード。


「おそらく、現世から来たものと推測されます。言霊だと思われます。」


「現世の言霊?発信者をどうやって特定するんだ?」


「それは、精神防御能力の領域、つまり、絵里華さんが担当でしょう。」


((わかりましたどす。))

 絵里華はトリガーカード『クローバー9、テレパス』を使って、サーチ。


((この人どす。))

 ぼんやりと画像が絵里華の脳裏に浮かぶ。


((誰かどこかで見たことがあるような?それにこの場所も。とにかく急ぐどす。))

 四人+執事で、現地へ赴いた。五人が着いた場所。


「こ、ここは。オレの部屋じゃないか!」

 オレは思わず叫んだ。というか、喋っているのは由梨。由梨の頭に乗っているネコミミが由梨の脳を通じて、外部に音声を発しているようだ。


「ちょ、ちょっと、勝手に喋らないでよね。この高貴な唇をみだらに使用するのは禁止なんだからねっ!」

 由梨がプンスカやりながら頭上に向かって話している。しかし、その表情は十分に日干しされた布団のように柔和である。それに外見上もネコミミは十分似合っている。


「今日の都の部屋は、割と綺麗に整理されているな。」


((そうどすな。ゴミひとつ落ちてまへんな。))


「まっほ、すっかりくつろいだ気分だよ。ちょっと遊んじゃおっかな♪」


「待ちなさいよ。こういう時はセレブに優先権があるのよ。」

 四人はここに来た目的を失っていた。気分転換は早いようだ。

 オレの部屋にひとりの女子がいた。美緒たちを見て怪訝な表情をしている。


「あなたたち、いったい誰なの?どこからここに入ってきたのよ?」


「あれ?都、どうしてそこにいる。」


((都はん。もう元に戻りはったん?良かったどす。))


「現世に帰ったと思ったらもう復活したんだ。良かったね。」


「みんなあたしの美しいヘッドをよく見なさいよ。」

 そこにはネコミミが燦然と輝いている。


「どういうことだ?都がふたりいるのか?」


「ここは日乃本都の部屋だけど。私は日乃本桃羅。都の妹よ。」


「どおりでそっくりなんですね。」

 李茶土は呟くように語る。


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