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難題

「こ、これは生徒会副会長らしからぬ感情的な行動ですね。その物騒なものを下げていただけますか。」


「李茶土。お主がこのようなことをさせたのだ。本当ならこの場で成敗してくれるところだ。」


「そこまで言われるならば申し上げましょう。この根本的な原因は美緒さんのミスによるものだからです。」


「なんと!どういうことだ。」


「嘘つき少女逮捕の時に、少女を霊界への収監に成功しましたが、もうひとつの魂を逃してしまいましたよね。それはあなたの失敗です。」


「うむ。それは否定できない。」


「その逃れた魂、隼人さんって言いましたか。それが都さんに侵入して以後都さんは意識を喪失しました。」


「そうだ。」


「そのまま今日を迎えて、さきほどの溺死事故が惹起されました。」


「たしかに。」


「その後、都さんは無事に復活した。なぜか?」


「「「「なぜか?」」」」

 一斉に質問。


「魂が死んだのは『隼人さん』の方だったからです。」


「「「「なに~!!!!」」」」


「というわけで良かったですね、都さん。」


「はあ。何かよくわからないが。みんなが喜ぶならそれでいいんだが。」

 狐につままれた表情のオレ。回りは大騒ぎになっている。


「何が何だか。とにかく良かったわね。」

 由梨が軽く笑顔を作り、目を伏せたまま、オレの肩を叩いた。『ズルッ』。由梨の身長からはオレの肩は東京スカイツリーのようなものではあるが。


「あれっ?どうしたのかな。このセレブの労いを避けようとするのは千年早いわよ。都、肩を下げなさい。」

 都からは何の反応もない。


「何をやってるのよ。セレブに時間を待たせるなんて、言語道断、今後淘汰よ。」


「おい、由梨よ。いったい何をしているんだ。それに頭のソレはなんだ。」

 美緒が小首をかしげながら、由梨を見ている。


「えっ、どういうこと?今セレブとして都の肩をなでなでしようとしてただけよ。それと頭のソレって?」

 由梨は自分の頭を触る。異物感。カチューシャなのか?毛皮作りで、両サイドに三角の小さな山がある。


「由梨たん、萌え~。」

 万歩が由梨を抱えるようにして、顔をスリスリしている。


((ネコミミどすな。))

 絵里華が単刀直入に説明した。


「うむ。都の全身が消滅した。代わりに由梨の頭上に鎮座した。どうやら都はネコミミに変身したらしい。」

 美緒が結論を下した。


「「「「はああああ~???」」」

 またも難題に遭遇してしまった。



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