すっかりいつもの様子
「う、う、う。うああああ~。」
背伸びをするオレ。
「あれっ?みんなどうしたんだ。」
「・・・都!」
((都はん!))
「・・・生きてたんだ都!」
「良かった、都たん!」
四人が一斉にオレに抱きついてきた。
「ど、どうしたんですか?」
「さあな、この神にもよくわからん。とにかく復活して良かった。」
((はらはらはら。都はん。))
「グスン、グスン。都。あら、目から汗ができたわ。この部屋暑いのよ。」
「ぶわわわ。都たん。生きかえったんだね。」
四人に抱きつかれて重たい都であった。とりあえず四人を引き剥がしつつ、李茶土に質問した。
「みんなの反応からするとオレは死んでたのか?」
「その通りにございます。死んだと言うか、無意識時間と完全停止時間とに分けられますけどね。」
にこやかに回答する執事。
「事情がさっぱりわからない。キチンと説明してくれ。」
李茶土が執事らしく、順序立て、かつ論理的にこれまでの経緯を話して聞かせた。
「なるほど、そんなことがあったんだ。だが、肝心の点がわかりかねる。」
「それは、どうして都さんが助かったのか、ということですよね?」
「そうだ。それはいったいどんなマジックがあるんだ。」
「別にマジックということではありません。ある意味当然の帰結であると思いますよ。」
「それはどういうことなのだ?」
美緒がツッコンできた。本来ツッコミはオレの担当だが。美緒のお面には『疑問』の二文字が点滅している。かなり強い疑惑のようだ。
「あ~あ。」
李茶土は意味不明の言葉を発した。
『ガシャ!』美緒が薙刀を抜いた。
「この神を愚弄するとはいい度胸だな。李茶土よ。」
お面が瞬時に薙刀に変わっている。美緒はすっかりいつもの様子に戻っている。




