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濃厚

((倉井はん、間違うてはいけまへん。その子はあんたはんの嫌いな男子どす。))


「な、なんだと!それは本当か。」

 倉井は血相を変えて、絵里華の胸倉をつかみかかった。


((ゴホッ、ゴホッ、手を放してくれまへんか。苦しうおます。))

 苦しいのは本体だが、語るのはあくまでアルテミス。

 絵里華はやっとのことで、倉井の手を振りほどいた。


「おい、紅葉院。あいつを俺にしょ、しょうかィ・・・。」


((えっ。今何と言いはりました?))


「しょうかい・・・」

 強気な倉井が口ごもる。


((もう一度はっきりと話してくれまへんか。))


「ええい。じれったい。紹介してくれってんだよ。紹介、紹介、紹介。何度でも言うぜ。」


((いきなりどうしたんどす?))


「鈍い女だな。俺はアイツに惚れてしまったんだよ。」


「「「「ええええええええええええ~!!!!!!!!!!!!!」」」」

 四人が一斉に両手をほほに当てて絶叫。目は垂直。


「あいつは俺の仲間だ。外見は女、それもとびっきりの美少女。これぞ、自分が求めていた人。惚れた。」


「「「「ほ、ほ、ほ、ホレたああああああ~!!!!!!!!」」」」

 頬に手のひらを当てて、眼はベクトルマークを継続する四人。

 倉井はビューと音を立てて、疾風のごとく、オレへダッシュ。


「俺とつきあってくれ!」


「・・・。」

 オレは無反応。


「おい、なんとか言ってくれ。」


「・・・。」


「ダメなのか?」


「・・・。」


「ダメだから黙ってるのか?」


「・・・。」


「そうなのか?」


「・・・。」

 倉井は肩を落として、大きく息を吐いた。


((諦めはったんどすな。))

 絵里華は心なしか、笑みを浮かべたように見えた。他の3人も同様のようだ。


「ならばこうしてくれる!」

 倉井は背筋を伸ばして、反り返るようなポーズを取ったかと思うと、顔を前に突き出してきた。


『チュパー!チュパー!チュパー!』

 倉井はいきなりオレに喰らいついた、いや濃厚キスの三連発!


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