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笑顔で接近

『ベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタベタ』

「うあああああああああああああああああああああああ!」

 美緒は気絶してしまった。そもそも男嫌いの中で、こんな数に攻撃をされたらたまったものではない。攻撃といっても、からだを触られただけなのだが。


「わははは。俺の勝ちだな。他の連中はどうだ?まだ俺に抵抗する強固な意思は持ち合わせていないだろうがな。」

 倉井は万歩に蔑んだ視線を送る。


「まっほは別に大丈夫なんだけど。」


「ほほう。強気だな。ではこいつらの餌食にしてやろう。そら、いけえ~。」

 倉井の号令に従い、プールの中での移動が始まった。波が一定方向に動いていく。それはひとつの塊となり、巨大なグリズリーのように万歩に襲いかかっていく。万歩は凶悪な爪の餌食となるのか。


「まっほはぁ、イタズラッ子は嫌いなのよ。みんな近くから応援してね♪」

 万歩は右手のVサインを横にして、右目に持っていく。そしてウインク。


「「「「「「「「「「ぐはっ!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」

 プールが真っ赤に染まった。ジバクたちは次々と沈んでいく。


「万歩が助けてくれたな。」

 苦しげな表情ながら、美緒が一言吐いた。万歩はアイドルパワーでジバクを倒した。これは自分の身を守るという精神防御の力の成せるワザ。


「ほう。お主、なかなかやるな。俺の部下もだらしないがな。」

 万歩はいつものように笑顔をみせながら倉井に近づいていく。


「倉井たん。お話があるんだけど。」


「なんだ、拍子抜けなヤツだな。何が言いたい。」


「倉井たんは女の子だね。」


「・・・。」


「やっぱり。」


「な、なにを言う。この学ランが目に入らぬか~!」


「でもその豊満な胸は何かな?」


「こ、これは防御服だ。胸の部分を補強しているんだ。日夜バトルモードだからな。」


「説明ムリだね。では失礼して。」


『ボヨーン。ボヨーン。』

「よく弾むね。気持ちいいな。」


「こ、この野郎!な、何をする。」

 万歩は攻撃の手を緩めない。万歩の防御力には入れ替わりの魔法も効かないらしい。


『モミモミ。』

「あ、あ、あ。」


「ほら、こんな真っ赤になって。」


「や、やめろ!これは誰にも触れられたことがないんだぞ。」


「そんなに大事にしているんだ。」


「そうじゃない。俺は男だ。誰も相手にしない。」


「まだ言い張るんだね。ではもっと激しく行くよ。」


「や、やめてくれ。俺の話を聞いてくれ。」


「やっとその気になってくれたね。」

 万歩は落ち着いた表情で笑顔を作った。でも目は笑っていない。


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