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身長差

あちこちでジバクが暴れている中で、ひとり、学生帽を被った者がちらりと見えた。

「これでは拉致が開かない。みんな一旦引き揚げるぞ。」

 四人はオレを引き連れて生徒会室へ帰って行った。

 

 オレを含めて五人が生徒会室のソファーに腰掛けている。



「さあ、今回はやっかいな事件だな。」



「何がやっかいなの?」

 万?が首を傾けた。



「プールはジバクでいっぱいだ。プールで遊びたいと思うジバクはたくさんいる。その中にリーダーがいるのだろう。おそらく、そのリーダーがジバク全体の意識に働きかけて、騒動を起こしていると思われる。だが、あの人数の中から見つけるのは大変だ。」



「そういうこと。じゃあ探す方法を考えないとね。それならあたしにしかできないことね。」

 由梨は自信ありげだ。



「なにか、具体策があるのか。」

 美緒は身を乗り出して、由梨の方を見る。



「そ、それはあとから言うわ。セ、セレブはトリを務めるのが普通だわ。」



「そうか。その口ごもりぶりからして期待はしないことにする。」

 美緒はばっさり斬った。



((うちはリーダーを見たどす。))

 絵里華が切れ長の目を輝かせた。



「なに?そうなのか。で、どんなヤツだった?」



((学生帽、学ランを着ていたように見えたどす。))



「ということは男の子なのかな?わくわく。」

 万?のテンションが上がった。



「そ、そんなこと、あたしには初めからわかっていたわよ。」



「そうか、そうか。じゃあ、そいつを呼びだす作戦はなんだ?」



「そ、それは後のお楽しみよ。」



「うむ。とりあえずそういうことにしておこうか。」

 美緒は上から由梨を見下ろした。これは精神的でもあり、物理的でもある。身長差である。


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