表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/137

恋愛フラグは立たず

学校を出て、道すがら、背中に話しかける。


「どうして、あの少女、ジバクと言ったけ、消滅したのかなあ?」


「現世に留まるためのグッズが、あの輪なのよ。あれが無くなれば、自動的に霊界に逝くわ。今頃、『魂』として閻魔のババアのところにいってると思うわ。」


「そうか。それからどうなるんだ。」


「閻魔は魂を地獄か天獄に送ることを決定するのよ。それが閻魔のいちばんの役割。」


「『天獄?』『天国』じゃないのか?」


「確かに人間界では『天国』と呼んでるわね。でも、霊界では『天獄』としているわ。詳しいことは知らないけど、『天獄』は地獄と大差ないらしいわ。それで多少アイロニカルに『天獄』と呼んでるようなの。」


「じゃあ、『天獄』に逝っても地獄のような悲惨な目に遭うんだろうか。」


「たぶんね。それ以上は知らないわ。あのババアにでも聞いてよ。」


「う~ん。閻魔女王は苦手だしな。」


「そうね。あまり関わらない方がいいかもね。ところで、どうしてアタシのこと、助けたの?別に助けてなんて頼んでないのに。」


「さあな。『手出しは無用なんだからねっ。』って言うから助けたんだと思うけど。」


「そ、そう。ほんと余計なことだったわ。」


「そうか。じゃあ今度から改めるか。改めついでに、呼び方だがお前ではあまりいい気がしないんだ。名前で呼んでもいいか?」


「べ、別に。好きにすれば、いいんじゃ・・・」


「そうか。ならば、由梨と呼ぶぞ。いいな?」


 回答がなかった。


『すー、はー、すー、はー』。由梨は眠っていた。疲れていたのは本当だろう。


 寝顔は見えないが、安らかそうだ。たぶん、顔を見るとかわいいと思うのではないだろうか。背中に彼女。これはフツーなら、恋愛フラグが立つところ。しかし、由梨は死んでいる。複雑だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ