表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
119/137

胸やオシリに攻撃?

五人は現地の高校に到着した。



「どうして、また夜なのよ?今回は授業中に出たようなので、昼の活動かとてっきり思ってたのに。」

 由梨はさかんに美緒に抗議する。



『ガタガタガタガタ』

「由梨、夜は怖いのかな?」

 美緒が薄ら笑いを浮かべながら由梨に視線をやる。



「ち、違うわよ。まだ夜は寒いじゃない。だいたい水泳授業にはまだ早い時期なのよ。」



「でも水温はそれほどでもないよ。ほら。」

 万?はいきなりプールに飛び込んだ。『キャッキャッ』言いながら、バシャバシャと水をかいている。



「アイドル時代を思い出すなあ。」

 すっかりプールを堪能しているようだ。ちなみに、スクール水着に身を包んでいる。他のメンバーもそれは同じ。ということは、都も同じである。メンバーのスク水には名前など貼っていないが、由梨だけは『6-2 たいなか』とマジックで書いてある。お約束である。


 プールサイドに都を残して、四人は水の中にいる。



「きゃっ。やめてよ、万?。いくらあたしのボディがナイスだからといって、触ったらダメだよ。オシリがムズイよ。ぽっ。」

 照れながら由梨が万?に向けて軽く注意をした。なごやかではある。



「まっほは何もしてないよ。」

 確かに、ふたりの距離は3メートルは離れているので、あり得ない。



「じゃあ、いったいだれが?」

 由梨がそういう間もなく、プールの水面はそれまでとまったく違う様相を呈している。あちこちで波が季節外れのサンタクロース帽子を並べたように立っている。波はマスゲームのようにきちんと整列している。不規則な並び方が普通であるだけに、これはこれで奇妙である。しかしそんな要警戒の雰囲気がMAXな中で。



「カメラ持ってる男子は集まってね。」

 万?はカメラ小僧を呼んでいた。相手はもちろんジバク。万?に緊張感なし。



((腐女子はこの指とまれどす。))

 絵里華はオタ女子を探していた。相手は当然ジバク。絵里華も緩んでいる。



 オレはプールサイドでぼんやりしている。目に力がまったく入っていない。


「みんな気をつけろ。様子がおかしいぞ。」

 美緒はすでに剣を構えている。その目つきはハンターのように、獲物を見つけたようだ。

 プールに立っている波と思われたものにだんだんと色がついてきた。青白い肌色。人の手だ。それも無数。水面で地獄へ誘うように蠢いている。見ていると三途の川に呼ばれているかのような錯覚に陥る。いやそれが現実か?さらにひそひそ話声らしきものが聞こえる。



「き、気持ちわるい。怖いわ。」

 由梨は不気味な手の軍団に取り囲まれてしまった。だらしなく緩やかに曲がった指先が由梨のからだに触れてきた。背中、首、お腹を襲っている。そして、胸やオシリにも攻撃の手が回り始めた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ