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【第三章】完結

「オレは他の女の子とつきあったことなんてないぜ。オレの好きなのは、真美だけだ。」

 隼人は真顔でそう言い放った。告白にしては直球だが、真美のような猜疑心の強い女の子にはこれが効果抜群だ。



「ほ、ホント?信じられないわ。アタシの回りって、嘘ばかりだから。」

 真美は隼人の言うことを信じながらも、なお、少しばかりの疑念を持っていた。



「仕方ないな。じゃあ、こうだ。」

 隼人はいきなり真美を抱きしめて、その薄い唇を奪った。



「「「「ええええ!!!!!」」」」

 すでに寝かされている絵里華以外は全員があまりの衝撃に絶句した。

 何分間かふたりの口は合わされたままだった。やがてひとりひとりのジバクとなった。



「どうだ。これでオレの気持ちがわかったかな?」



「うん。そうだったんだね。アタシの勘違いで、隼人をジバクにしてしまってごめんね。」



「いいさ。真美に殺されなくても、そのうち逮捕か、どうかなっていただろう。まともなことをしていたわけではないからな。潮時だったと思っているよ。」



「そう言ってもらえると、救われるわ。・・・お迎えが来たみたいね。輪を斬ってね。アタシが成仏するのは、隼人のキスだったのよ。最後にこんな気持ちになれてよかった。あのまま現世にいても仕方なかった。ジバクになったのは間違いじゃなかったわ。みんなありがとう。」

 美緒は薙刀を軽く振って真美の白い輪を切り離した。真美の姿がスーッと消えた。



「終わったな。絵里華はどうだ?」



「絵里華たんはまだ気を失っているみたいだけど、顔色もよくなってるから大丈夫だよ。」



「由梨もいるな。じゃあ行くぞ、都。」

 オレは美緒に気を使って、距離を置いていたが、その場から動かない。



「美緒、ちょっと。都が眠っているわよ!」

 由梨が必死にオレを揺すっている。しかし、オレは酔いつぶれたみたく、まったく動く気配がない。



「ま、まさか。」 

 美緒の顔から血の気が引いていく。



「都たんに隼人たんがとりついたみたいだね。」

 万歩が終末宣言をした。


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