悲劇?
天使だった。でも現世の。
九死の中で出会った隼人。中学生位の年齢だがすでに詐欺師だった。両親が詐欺師だったことにショックを受けたのに、出会った相手が詐欺師とは!自分の運命を呪いつつも、これが人生と割り切った。日夜嘘をついては生活に必要なものを手に入れていた。ふたりはいつしか愛を誓った仲となった。しかし、仕事柄か、それも嘘ではないかと疑心暗鬼になる真美。
ある時、美少年が他の女子とつきあっている場面を見てしまった。それもすごく大接近している状態。少し距離があったので、よく見えなかったが、キスをしているようだった。真美はショックを受けたというより、やはりそうかと思っただけだった。アタシの人生ってそんなものだと人生二度目の絶望だった。
真美は隼人を殺して、自分も自殺した。ふたりともジバクとなった。これでずっと一緒にいる。それが真美の望みだった。でもそれは表面。本当は『現世』で愛し合いたかったのだ。自分に嘘をついて、隼人を無理やりジバクにして、自分だけのものにしていた。その結果、隼人は自分のものになった。だが、眠ったままのジバクとなってしまった。やったことが正しいことではないことを自分ではわかっている。でもどうしようもない。そのストレスがジバクとしての悪戯に発展していた。
なお、隼人が出会った女子についてであるが、『都が道を訊いていただけだったが、都がドジって、転んで抱き合ってしまっただけだった。』のだが、一瞬のことなので、当事者は誰も顔を記憶していなかった。それは悲劇か喜劇か?




