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原因分析

ここは旧保健室。5Fの大きな部屋である。元々あった生徒会室は4Fにあるが、狭いとの意見で、ここが生徒会室に衣替えした。こちらの方が霊界に近く、何かと便利なのであろう。



『さて、これからどうするかなんだが。』

 生徒会室の会長専用ソファーにどっかと座り、足を組んでいる美緒。副会長であるハズだが、会長という腕章まで付けている。しかし、糸電話を使っているということは、同じ席にオレがいるということになる。オレは会長ではないとなるといったいどんなポスト?美緒は般若のお面を着用中であることは言うまでもない。



「まさか、絵里華がこんなことになるとはねえ。お嬢様として失格だわ。ホンモノセレブならこいう不躾なことはしないわね。哀れだわ。フン。」

 由梨は顔を右斜め上方につきあげて、瞼を閉じた。人によっては、これを見ただけで萌えるハズだ?



「まあまあ由梨たん。そんなことを言わずに、どうやったら絵里華たんを元に戻せるのか、考えないと。」

 こういう時は万?が由梨を宥める担当である。



『そうだよな。生徒会副会長代理を助ける算段をみんなで考えないと。でもどうしたらいいのか、見当もつかないけど。』

 ここで生徒会役員構成を説明しておこう。生徒会長、都。副会長、美緒。副会長代理、絵里華。副会長補佐、万?。副会長代理補佐、由梨。



「どうして、セレブが副会長代理補佐なんて長い肩書に甘んじないといけないのよ。」

 由梨は大層怒っていたが、生徒会長が任命したのだから逆らえない。生徒会長はどんな基準で選定したのかって?直感です。わかるだろう。



 オレは糸電話に対して、話かけている。しかも、場所はひとりだけ10メートル離れているので、奇妙というか、滑稽というか、あるいはひとりごとを言う危ない人に見えなくもない。



『とにかく、まずは現状分析をしよう。そこにいる絵里華の様子は睡眠状態だ。』

 美緒はソファーにいる絵里華本体を指す。睡眠状態と言いながら、ベッドに横たわっているのではなく、椅子にきちんと座っているが、目は閉じたままである。しかし、なぜか絵里華は立ち上がった。



「こうして手を引くと立つことができるし、歩くこともできるのよね。不思議だわ。」

 由梨が操り人形のように、絵里華を自由気儘に動かして見せる。



「絵里華たんはどうしてこうなったんだろう?」



『問題はそこだ。原因を分析しないと対応策は検討できないからな。この神といえども、論理的な思考を行うにはあまりにも要素が少な過ぎる。ただ、この前、黒白執事が言っていたジバクのことを絵里華は気にしていたように思える。』


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