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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
995/1022

《第997話》『つかの間の休息』

「はぁ――降参だよ。勝てるかアホ」

「しかしこう言っちゃなんだが、善戦したほうじゃねぇか?」


 度重なる衝撃によって土塊となった山の上。人間態に戻ったディアと狼山は、ボロボロの状態でペタリと座り込んでいる。

 一方、妾の方はというと同じくボロボロ。だが、全身傷だらけであっても、大地にしっかり立っている、


「ぶっちゃけ、先程の戦いよりも苦戦したぞ」

「うっそだぁー! あいつらの方がアタシらより絶対ヤバいって!」

「いやいや、マジだぞ。あっちはただ物量がおかしいだけだからな。互いで互いの動きも阻害していたし」

「戦いは数が通用するのも、状況次第ってところだな。樹那佐のヤツ、分かっていたのかいねぇのか――」


 しばらくして、またすぐに刺客が送られてくることだろう。そしてその刺客とは、恐らく――……、


「呉葉ちん」

「何だ?」

「世界を救えだとかなんとか、アタシは押しつけがましく言うつもりはないよ。ただ、」

「――?」

「ただ、アンタがコーハイの幸せのために出来ることを貫ける。それは願わせてもらうさ」

「――言われるまでもない。安心しろ」

「ほら、狼山! アンタからも、なんか言ってやんな!」

「俺の言いたいことを、先にお前に言われたんでな。どうしようか少し困っているところだ」

「おいおいディア、発言の先回りはかわいそうだろ」

「えっ、唐突に悪者にされんのアタシ!?」

「ははっ、まあ、俺の言いたいこともそう言う事だ。死にたくないのも事実だが、俺達応援することしかできねぇ。だったら、運命を託す相手に好きにやってもらうのがいい」

「――そうか」


 空気が変わる。それと同時に、ディアと狼山の姿が薄れ始める。


「っ、二人共――!」

「安心しなって。どうやら、別の場所に転送されるだけみたいだからね」

「ま、遊と共に健闘を祈らせてもらうさ。どこ行ったのか、探し中だがな」


 そう言い残して、平和維持継続室の二大エースであり妾の友人は、この場を去った。

 ――そして、背後に何者かの歩く足音が迫ってくる。


「――来たか。鳴狐」


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