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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
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《第993話》『人間代表』

「墜ちた、な」


 空間転移で近くの山の頂上に降り立った妾は、無人の街に崩壊しながら落ち行く浮遊大陸ラ・ムーを眺めつつそう呟く。


「夜貴。妾はお前が差し向けた奴らを、片っ端から撃墜してやったぞ。即ちそれは、『お前が妾を倒せると踏んではなった刺客』を越えたことになる。つまり、お前の想像の外の出来事のハズだ」


 夜貴は答えない。この場にいるのは妾一人。一陣の風が、草をこすり音を立てる。


「これでもまだ、妾をお前の空想と言い張るつもりか? 空想が、主の思惑を超えてなお、それでも未だ妾自身を個人と認め共に歩む道を、無視を決め込むか?」


 そんな中に。足音が入り込むのを、確かに聞いた。


「頑張るね、呉葉ちん」

「その意気で、是非とも頑張ってほしいぜ」


 振り向くと――クラウディア・ネロフィと、狼山俊也が並んで立っていた。


「――お前たちがここにいる、と言う事は」

「ああ、そうだよ。次の相手はアタシらだ」

「当然俺達としちゃ、お前に勝ってもらいたい。応援してるんだがな」

「どうにも、コーハイは――世界の意思とやらは、それを許してくれないみたいでね」

「俺達も、お前と全力で戦うことになる。樹那佐の嫁さん」


 そう言って、二人は臨戦態勢を取る。ディアは赤い髑髏の悪魔に姿を変え、狼山は……一見無防備に見えて、いつでも射撃体勢に入れることだろう。


「やれやれ、あらゆる意味で荷が重いな」

『ぶっちゃけ、アタシらとしても同じ気持ちだよ』

「伝説の鬼神、か。俺は何で毎回、人外と戦わされてんだよ」

『アンタの動きが人外だからじゃないかい?』

「俺は人間だぞ」


 互いに、友人を傷つけねばならない状況。そして、互いに油断のならない強者が相手。


 なるほど、夜貴はまだまだ刺客を繰り出してくるつもりらしいな。



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