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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
977/1022

《第979話》『大告白』

「夜貴」

「えっ、呉葉!?」


事務仕事を行っているところに、唐突に呉葉が現れる。付き合わせている反対側の机の前に、空間転移を使って。


なお、今事務所には僕だけしか居なかった。皆仕事や私事で出ているのだ。


「何かあったの? あまり使わないようにするって――」

「まあ、緊急事態だからな」

「緊急?」

「世界の危機――いや、お前の危機と言うべきか」

「…………」


………………………………。


「今ちょっと忙しいから、少しだけ待ってもらっていい? ごめんね?」

「空のアレの事か」

「――まあ、ね」

「その後でまた世界をやり直すのは無しだぞ。妾は、お前と話すために来たのだからな」

「…………」


どう言う理屈か――いや、天才児の仕業で、今の彼女は全ての「呉葉」の記憶を持っているようだった。

そんな彼女は、とても穏やかな瞳で僕を映している。まるで悟りを開いた賢者か何かのようだ。


「会話が今難しければ、アレを打ち落として来るが」

「ははっ、でも呉葉は呉葉だね」

「うん?」

「その力づくなところ」

「妾を脳筋みたいに言ってくれるな!?」

「いや、だって――アレは無理でしょ」

「愛の力は無限大だぞ。謂わば恋愛脳と言うヤツだ」

「随分と破壊力抜群な恋愛脳だね!?」


――うん。短い会話だけでも、彼女とのお喋りは楽しいな。それを思えば、確かに勿体なく思うけど。


「夜貴」

「うん?」


でも、いずれそれも飽きてしまうだろう。無限の時間は、あらゆるモノを朽ちさせる。

だから――そう思ってしまう前に僕は、


「結婚しよう」


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