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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第四章
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《第九十六話》『ご近所さんに噂されているのをこの鬼神は知りません』

「うーん、そうね。紙パック式ならこっちの方がいいかも。うるさくないし、長く使えて頑丈よ」

「ふむふむ、なるほど――ならば、こっちはどうなんだ? こっちの方が安いぞ?」

「それは駄目ね。そこそこ吸ってくれるけど、いきなり爆発したって話を聞くわ」

「掃除機だぞ、何故爆発するんだ!?」

「あたしに聞かれたってしらないわよ。まあ、これは買わないことを推奨するわ。家を散らかしたりしたくなければ」


 分かりやすく解説してくれる静波多 藍妃に、妾は耳を傾ける。しかし、何故そんな妙に詳しいんだ。家電女子がこれから流行るのか?

 とりあえず、術に関してはよく効いているようで、向こうはこちらを初対面と思っているようだ。ひとまず、本部への連絡はされていないだろう。


「――よし、これにしよう。貴様のおかげで、どれを買えばよいのかがわかった。感謝する」

「そう、それはよかったわ。――それで、なんだけど」

「なんだ?」

「――アンタ、一体何者なの?」

「何――?」


 目を細めてこちらを注視してくる静波多 藍妃に、妾は思わず後ろに一歩下がった。


「どう見ても、普通の人間じゃないじゃない。――と言うか、まず人間なのかすら怪しいわ」

「どこが普通の人間じゃないと言うんだ!?」

「回り見なさいよ、どこにあんたみたいな真っ白な奴がいるって言うのよ?」

「ぐ、ぐぬ――っ! 確かにそれはその通り、だ、が……!」


 ぶっちゃけ、誰にもあまりそう言うことを言われてこなかったために、正直気にしたことが無かった。ここへきて、それが突っ込まれるとは。


「な、ならば、どうするというんだ――!」

「別に、悪くない奴までどうこうする気はないわ。とりあえず、誰かに害をなそうとしている奴が、こんなところで掃除機買おうとしているとは思えないし」


 静波多 藍妃は、こちらを値踏みするような視線で見ながら、次にこう宣言した。


「アンタのこと、しばらく監視させてもらうわ」


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