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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
961/1022

《第962話》『怪人出現!』

「貴様ァ! そこで何をしているッ!」


 家を飛び出した妾は、塀のところにいるそいつに怒鳴りつける。

 上から下まで真っ黒なシルクハット、マントの、大柄な男。まるで風船のように恰幅がよく、顔は全身とは真逆の真っ白な仮面をかぶっており、その手には一眼レフが抱えられている。


「な、なんだ貴様は!?」


 流石の妾も、その異様な姿に動揺を隠せなかった。なんだこの、変質者――? は……?


「オデは盗撮怪人フ・シンシャ! 変質者ではなァい! デュフフッ」

「変質者だろうが不審者だろうが似たようなモノではないかァ!」

「オデは不審者ではなァい! 盗撮怪人フ・シンシャ! デュフフッ」

「不審者だろうが! この妾を盗撮しようなど、命がいくつあっても足りないと思え!」


 このよくわからん不届き者を退治すべく、妾は鬼火を片手に湛え、球にして投げつける。とりあえず、こんな馬鹿は制裁せねば、世の中の平和を乱すに決まっている。


 ――が、


「何!?」


 鈍重そうな見た目に反し、フ・シンシャは俊敏な動作で跳躍し、鬼火を避けた。

 着弾した火球が、路面を激しく削る。


「デュフフッ! デュフフフフッ!」

「っ、待て、貴様!」


 そして地面を跳ねるように、そいつは逃げていく。当然、一眼レフを抱えたまま。


 アレが何者かは知らない。しかし、ご近所の平和のために。妾はアレを追わざるを得なかった。


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