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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
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《第952話》『人形少女の目覚め』

「…………っ」


 私ははっとなる。そして、「自分は思誓 遊」であると確認を取り、辺りを見回した。

先ほどまで、荷の前イヴの自室に居た私。だが現在状況は、いつの間にやら自宅の自室で座っている――、


 この現象から考えて。おそらく今私は、あの天才幼女の力によって、再び始まり直してしまった世界の中に移動しても意識を自覚できているのだろうと理解する。

 一見タイムリープのようであるが、厳密には違う事が起こっている。どちらかと言うと平行世界移動に近いとイヴは言ったが、正直私にはさっぱり分からない。


 だが、今自分がこのような状況に置かれているという事は。彼女の予測した世界の意思の行動が、現時点を持って完了したと言う事なのだろう。


 イヴ曰く、世界は樹那佐 呉葉によって樹那佐 夜貴を殺されることで起こる世界の崩壊を、是が非でも成そうとしているだろう、と言う。そのためには、あの時点に至るまでの人物関係や歴史のほとんどを同じにする必要がある。

 何故なら人の人格は、魂同士による互いの干渉により形成されるから。つまり、“樹那佐 夜貴を愛した樹那佐 呉葉を作るためには、以前の歴史とほとんど同じ過程をたどる必要がある”のだ。


 だから、自分達が消えることはまずない。恐ろしい程に、二之前 イヴの言ったことは、この時点で的中していると言えた。


 ならば、世界は何のためにもう一度世界をやり直すか。それも無論、歴史の修正のためだとイヴは言った。

 樹那佐 呉葉に樹那佐 夜貴は殺せない。この矛盾を解消するために、偶発的な事故が起こるよう仕向ける。それが、世界の狙いだろうと彼女は読んだ。

 それでいいのかと遊としては言いたくなったが、どうせ世界やイヴの考える事などまるで分からないので、口は出さない。


 予定では、この後もう一度合流することになっている。遊は立ち上がり、外出準備を始めることにする。


 自分だって、世界が無くなるのは嫌だ。俊也といられなくなってしまう未来など、まっぴらごめんである。


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