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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
938/1022

《第939話》『決め切れぬ心』

「フン、そんなもの。最初から分かっておるではないか」

「――?」


 鳴狐は、馬鹿馬鹿しいと鼻で笑い言い捨てた。


「貴様が迷いに迷いに、迷いに迷いに迷いに迷いに迷いまくってるから、この体たらくなのではないかえ!」

「迷っている、だと――? 妾は既に決心を……、」


 決心をした。その筈だった。自ら愛する者を手にかけるという、その覚悟を。


「言っておくが、余は正直まだ完全に状況を把握しきれているわけではない。じゃが、だからこそその念は嫌でも伝わってくるのじゃ」

「!」


今の妾と、狐の相違点。言われてしまえば、驚くほどすとんと心の中に落ちたような気がする。

妾は、未だに迷っているのだ。夜貴との今までの想い出が、“終わらせる”ことを躊躇させている。

結局妾は、あの時自宅前で息巻いた時とまるで変わらなかった。次は無いと宣い、そして次がやって来た今でもまた、やはり躊躇している。挙句、心のどこかで自分が敗北すれば、とさえ思っている。


 ――駄狐ごときに諭されるのが、気にくわないが。認めざるを得なかった。



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