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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
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《第932話》『妾と狐』

妾はそちらへ目を向けると、崖の上にはやはりと言うべきか。九本の狐の尾を持つアホウが立っていた。


「何だ駄狐。ここへ何をしに来た?」

「とうっ! ――っと、何って、貴様妾余をおいてけぼりにしおって! 探したのじゃぞ!」


高所からすたりと降りてきた駄狐は、妾へと詰めよって来る。――だが、なんの事か妾には分からない。


「あー、それは妾の方だな。名も無き悪魔の分身共と戦う際、乱入してきた」

「何? あれは貴様だったのかえ?」

「間違えるなバーカ」

「同じ顔しておるから判らんのじゃあッ!」


地団駄を踏むその姿は、妾と同じく千年生きた者とは思えぬ程に子供じみている。

相変わらず、相変わらずだった。


「何をしに来たのかは知らんが、邪魔をしてくれるな。妾はこれから――夜貴の命を奪う」

「――なんじゃと?」

「それが貴様の言う、湿気た面の理由だ」

「ちょっと待て何を言っておるのじゃ、こやつは貴様の夫じゃろう――?」


駄狐は、妾の正気を疑うような目をした。


「小難しい顔をして、何を言い出すかと思えば。何のかんのと言って、貴様もその程度だったんじゃな」

「――何?」

「いかなる理由かは知らんが、飽いて捨てることにしたのじゃろう? いやはや、よかったよかった。これでまた、多少張り合いが――」


 駄狐の言葉は、そこで途切れた。


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