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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
922/1022

《第922話》『ジジババ集会』

「っ、」


 剣奉から迸った雷。妾はそれを横に飛んで回避する。通り抜けた稲光は、段差ごと大広間を真っ二つにする。


「――何をする」

「何するってそいつァ決まってんだろがぃ、狂鬼姫よぉ」


 アロハシャツのジジイは、雷で形成された大剣を肩にもたれかけさせ、首をかしげて見せる。


「ちょっくら一発、平手打ちで目ェ覚まさせてやろうかと思ってな」

「随分と破壊力のデカい平手打ちだな。部屋が使い物にならなくなったぞ」

「たった二人のジジババ集会だ、問題ねぇだろ」


 剣奉は大剣を横薙ぎに振り回してくる。リーチは見た目よりもはるかに伸びるそれは、その場から使い手が動いていないにもかかわらず、数歩距離のある妾へと迫りくる。


「ちっ――お前が問題と考える状況が、そもそも今まで一度も無かっただろうが」


 妾は妖力を帯させた素手で受け止める。拮抗するが、剣奉は驚かない。むしろ、ニカリと笑っている。


「無くもねぇなァ」

「――ほう?」

「例えば、今がその時よ――!」


 剣奉はもう一方の手に、稲光の剣をもう一本出現させる。

 その剣は、刀身を叩きつけるように妾の頭上から降ろされる。


「今日の貴様は、一段と意味が分からん、な」


 妾は空間転移で距離を取り、剣奉の後方へと足を降ろす。先ほどまでいた壇上は、見るも無残に吹き飛んでいた。


「そうかぃ? 一度お前さんの胸に聞いてみるこったな」

「何?」

「儂は他の奴ら同様、何も事情を聴かされちゃいねぇ。けど他の奴らと違って盲目的じゃねぇ。そんな儂が、今お前さんをどう見てると思う?」


 剣奉は稲光の二刀を構え、妾を振り返った。


「ただの脅された弱者だ」


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