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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
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《第913話》『信じるか信じないかは、あなた次第』

「なるほど、確かに。妾達が信じられるか否かは、話の真偽以前の問題だな」


 何故か自信満々に胸を張る呉葉´。――その後ろで俺は、ちらりと横目でこの部屋の壁を見た。


「確かに、こんなことするヤツをいきなり信じろと言われても困るわな」

「やかまし。だが、そのように疑ってくるのは最初から分かっていた」

「ほほう。ならばどうします?」


 平野は興味深げに口角を上げる。周りの中年・老年たちはそんな二人の様子を、どこか怯えながら見ていた。


「え? 何もせぬが」

「――はい?」


 だから、皆そろってアホみたいにポカーンと口を開けたのは言うまでもないことだった。勿論、俺もディアも。


「当たり前だろ。そもそも敵方に現在の妾がいる以上、そちらにはどちらがどちらか判別がつかない。そんな状況では、どのように妾がモノを言ったところで、その信用を100%にすることは不可能だ」

「――なるほど、確かにその通りです。疑おうと思えば、我々はいくらでも疑えます。その永久的なループを脱する程の信ずる証拠を提示するのは困難です。しかし、それでは……、」

「だな。だから妾は、これから起こりうる事態を述べるだけに留める」


 呉葉´はそう言って樹那佐を抱き上げた。そして、そのまま空間の穴を開いてしまう。


「お、おい、話をつけるとか言ってそんだけかよ!?」

「いや、話はついたぞ。妾は情報を与えた。それが真実か否かは、じきに証明されるだろう。――ああ、もう一つ。狂鬼姫の仕掛けてくる手について述べておくとしよう」

「む――」


 呉葉´は既に空間の裂け目へと片足を突っ込んでいる。もはや、ここに止まる意味は無い、とでも言うように。


「近々、この国中の至る所で妖怪達が暴れ出すだろう。お前たち、平和維持継続室の人員を可能な限り出し尽くすためにな」


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