表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第一章
9/1022

《第八話》『事態で最も被害を受けたかわいそうな物体』

「貴様、貴様、貴様貴様貴様ァ! よくも妾の夜貴を誘惑し、最後にはこんなひどい目に合わせてくれたなァッ!!」

「呉葉ちーん、後輩君の状態に関してはアンタのせいだと思うぞー?」


 組織の事務所に来て早々、どうしてこんな目に合わなければならないのだろう? と、呉葉の膝の上で介抱されながら僕は思う。


「なにおう!? 卑劣な悪事に手を染めておきながら、言い訳しようというのか!」

「いやいや、だから、ね? 後輩君もとい旦那さんラヴなのは分かったからさー」

「外へと出る前にと、こうしてお弁当を届けに来たら、まさか妾の夜貴が淫乱な脂肪の塊なぞに淫行を受けているとは――っ!」

「話聞いてねぇし! というか、その表現はアタシが太ってるみたいじゃん!?」


 いや、まあ、先輩にも悪いところは――というか、おおもとの原因はあなたなので、あなた自身も全くの無実というわけではないのですが……。

 ――ところで、それはそれとして……、


「く、呉葉ぁ――ちょっと、いいかな……?」

「む? なんだ? なんでも言ってみろ。あの女を血祭にするか? それとも、組織そのモノを壊滅させるか? それともそれとも、いっそ妾がお前の全ての世話を――、」

「そ、そうじゃなくて――」


 呉葉は目を瞬かせ、僕がこれから言おうとしていることの想像が付かないようだった。どうやら、言葉には出てきても、存在自体は完全に頭から抜けている様子らしい。


「えっと、その――お弁当……どうしたの?」

「――? ……? ――……?」


 呉葉は僕の言葉を聞いて掌を見た。両側を見た後、部屋の中を見渡してから――遠方の床の上に引っくり返っている風呂敷に包まれたそれに気が付き……一瞬固まる。

 そして、これ以上ないほど青ざめて叫んだ。


「しぃまったあああああああああああああああああああああああああああああっっ!!?」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ