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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
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《第879話》『世界の中心点』

「核――?」


銀髪の女性は、僕を見てはっきりとそう告げた。

だが、言っている意味がまるで分からなかった。


「汝、己では気がついていないらしいな。汝はこの世界における中枢が人格を得た存在。汝こそ、世界存亡の要なのだ」


銀髪の女性は、またもや髪を鎌にして振り上げる。そんな彼女の顔は、嬉々とした様子が浮かんでいる。


「妄言垂れ流しマシーンめ、無駄に壮大なウソを吐いて無駄な混乱をもたらす腹積もりか!」

「同胞よ。この話、汝とて部外者ではないぞ?」


真正面の空間転移から殴りかかる白い女の子。そんな彼女の拳を、案の定片手で銀髪の女性は止める。


「だから、貴様ごときと一緒にされるのは心外であると――!」

「吾は不思議に思っていた」

「ッ!?」


銀髪がほどけ、無数の髪が白い女の子の全身に絡み付く。ただのそれだけで、彼女は動きを封じられてしまったようだった。


「そもそも、吾は吾。唯一無二にして、他に並び立つ存在などあるはずもなき意志だ。その吾が、汝にだけは同質の何かを感じていた」

「貴様の、勝手な思い込みだろう――!」


白い女の子の全身から、黒々とした炎があがる。だが、銀色の髪はその艶を失わない。


「いや、吾は見た。故に、妄言ではない」


銀髪の女性は、親しげな笑みを女の子に投げ掛けた。


「汝もまた、吾と同じ使命を得し者なのだ」


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