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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
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《第878話》『エンドレス』

「ニセモノのクセに、こいつ強すぎぉぼっ、」


ビルの屋上。妾は飛び掛かって来たレザースーツの悪魔の頭を殴って吹き飛ばす。


「「この――ッ!」」


背後より2体の気配。妾は背中に妖気を集中させる。


「「はぎぅあ、」」


爆炎状の鬼火がその名も無き悪魔2体を飲み込み焼却する。


このタイミングで仕掛けてくるヤツはいない。その隙を見て、妾は正面の空間に穴を開け、その先の樹那佐宅へと、


「させると思ってんのぉ?」

「ちっ――!」


その穴から、軽装の悪魔が無数の宙に浮いた針と共に飛び出してくる。


「しつこい女は通報されるぞ――!」

「もがっ、」


針の間を縫ってそいつの顔面を鷲掴みにすると、力任せにコンクリートへ叩き付ける。――そいつの首から上が弾けとんだ時には、妾の開けた空間の穴は消えて居た。


「それはこちらの台詞よな? かれこれ空間に穴を作ること5回、ほふった吾が分身は13に及ぶ」


高台の上の奇術師は、不満そうに鼻を鳴らした。あからさまに焦れったく思っているのが見て分かる。


「貴様のネタ切れまで戦っても、尚こちらには充分な余力が残るぞ。いい加減、無駄な事は止めるのだな」

「それもまた、こちらの台詞よな? まだまだこちらの戦力は残っているぞ。それこそ、汝が力尽きるまでな」


周囲の物陰から、名も無き悪魔が7体あらゆる方向から飛び掛かってくる。衣装は様々だが、顔は全て同じだ。


妾はその中の一体を掴み、そいつの身体で凪ぎ払う。


「全く、そこまで付き合っている暇など、無いと言うのに――ッ!」


新たに飛び掛かってくる悪魔へと、掴んでいたそいつを投げつけ、纏めて鬼火玉で爆散させる。


いつになったら樹那佐 呉葉の元へ行けるか、わかったものではなかった。


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