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鬼嫁! 呉葉さん!  作者: /黒
第二十三章
876/1022

《第874話》『己の世界』

「しかし、世界を滅ぼす、か。それも、己がその瞬間を目にしたいから、等と言う理由で」


幻影とは言え、やはり世界を滅ぼされるのは困る。妾は奇術師の出方に注意を払いつつ、そう文句を述べる。


「その様の美しさを想像すれば、誰しも手を出してみたくなると言うもの。吾がこのように思うことは、自然の摂理ではないか?」

「随分とまあ、自分勝手に言ってくれる。妾は自身も大概だと自覚しているが、流石に貴様には及ばんよ」


 そう皮肉たっぷりに言ってやると、奇術師はクックックと笑う。通じているのやら、いないのやら。


「当然だろう。世界は吾のモノなのだから」

「ほう?」

「この複数ある世界において、明確に『意識』と呼べるモノが存在すると断言できるのは吾だけだ。他はそれぞれの行動傾向の元に行動し、存在する。意思有るものは己だけと推定できるそれ即ち、世界は吾のために存在していると断言可能なのではないかね?」


奇術師の唄うような口調を聞く限り、冗談でそう述べている様子は無い。どうにも、厨二を拗らせたかのような発言を、すさまじく真面目に口にしてくる。

――妾の古傷(幻想)が痛む。嫌な奴だな、こいつは。


「――と、先日までは思っていたのだがな」

「む――?」


だが、奇術師の不敵な笑みが。自嘲的なモノに変わった。


「どうやら吾も、この世界――正しき意味において、この世界の仕組みに過ぎなかったらしい」


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